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武庫川で初めてのテナガエビ釣り@武庫川下流[2019.05.26]

季節の釣りもの

数ある初心者向けの釣りで一度もやったことがない釣りがありました。それがテナガエビ釣り。

京阪神だと淀川や武庫川の下流が有名な釣り場です。自宅から気軽にいける釣り場なのに、今まで手を出さないまま数十年。ファミリーフィッシングをテーマにしている当ブログ、これは一度チャレンジしてみなければいけません。

でも初心者向けの釣りでしょ?数々の釣りをしてきた自分はこんなん余裕で大爆釣ですわぁ!どうやら武庫川で釣れ始めてるみたいなので行ってみよう。晩御飯はテナガエビパーティだ!

しかしテナガエビは意外に手強く…

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30年ぶりの武庫川へ

関西の釣り人にお馴染みの大河川

京阪神地区にお住いの釣り人には何かとなじみ深い武庫川。

特に最下流付近はチヌやらシーバスのメジャーポイントですし、河口沖の武庫川一文字や尼崎釣り公園なども武庫川あってこその名ポイントになっているわけで。ときに大雨が降れば濁流とガレキを運んでくる迷惑な川ですが、山の栄養分を海へ運び、大阪湾の環境を豊かに育んでいる母なる川ともいえる存在です。大阪湾の釣りとは切っても切れない川といえます。

私自身、小学生のころにハゼ釣りをしに何度も訪れたことがありました。2時間ぐらいかけて自転車で行ったこともあったな。

今回は車で行き、武庫川駅のだいぶ東にあるコインパーキングに停めてから河川敷へ。実に30年ぶりに来たのですが、駅周辺の昭和感に変わらなさに感心してしまいました。駅のすぐ東にある都そばって、30年前にも同じ位置にあった気がする。

阪神武庫川駅の上流付近で釣り開始

さて、事前にいろいろリサーチした結果、阪神武庫川駅周辺がテナガエビの好ポイントらしい。そこへ朝6時に到着。

近年行われている河川改修工事によって武庫川駅周辺の護岸に変化がありました。駅周辺の尼崎側はテナガエビのポイントとなるスリットがほぼ無くなっていて狙いにくい状態です。2024年現在は武庫川駅の通路を使って西宮側に渡った護岸の方がポイントが明確で狙いやすいでしょう。

今回とは違う秋の時期ですが、四季の釣りでもやっていたようです。

今日は息子も同行。

最近は家族での買い物にも付いてきたがらない難しい年ごろですが、釣りと聞くと飛びついてきます。初めての釣りなので、コツをつかむまでは手数が必要。調査用人員が多いにこしたことはありません。息子にはテスターとなってもらおう。

しかしのちにこの息子が大活躍することとなります。

武庫川河川敷
釣り場から阪神武庫川駅を望む

駅の下で日陰になっている場所は混んでいたので、駅から少し北に歩いて人が少ない位置から始めることにします。

駅横の公衆トイレも近いし、護岸はコンクリートで固めてあるから足場も良好。家族連れでも安心ですね。

テナガエビ釣りのポイント

護岸のコンクリートですが、本流に向かってスロープ状に落ちこんでいます。

その水面下に沈んでいる部分に四角形のくぼみが等間隔で並んでおり、そこがテナガエビの隠れ場所になっているようです。

テナガエビのポイント
足元からすぐのブロックに穴が空いている

足元からほんの数十センチ。あとで棒切れを突っ込んで穴の中を調べたんですが、この穴は足元に向かってえぐれた奥行きのある構造になっています。思いのほか立体的というか入り組んだ構造みたい。昼間はその陰にテナガエビが隠れているようです。テナガエビは夜行性だけど、その隠れ家を狙えば昼でも釣れると。

ポイントはほぼ足元なので、竿の長さとしては1メートルあれば十分って感じ。こんなんめっちゃイージーな釣りですやん。ザリガニ釣りと変わりませんやん。爆釣間違いなしやですやん!

…始めるまではそう思ってましたね。

アワセに大苦戦!壁を破ったのは息子だった

市販の手長エビ仕掛けを用意

なんせ初めてやる釣りだったので仕掛けの時点から要領が分かりません。とりあえず今回は市販の仕掛けに頼ることにしました。ささめ針の玉ウキ仕掛け。

しかし、これが思いのほかシンプルな仕掛けで、次回からは自作でいけそうです。いわゆる川の小物釣り仕掛けそのもの。テナガエビ用のハリス付き針さえ準備すれば、あとは今回の仕掛けのパーツとありあわせの材料を使ってその場で準備できそう。

ちなみにテナガエビ専用針は2号と3号をそれぞれ使いましたが、特に釣果の差は感じませんでした。針のサイズにシビアなサヨリ釣りみたいに、慣れてくれば違いが分かるのかもしれません。

竿は延べ竿を分解したもの

竿は専用の竿やタナゴ竿を流用することもあるようです。こんな柔らかくて短い竿が最適。

安いものがあるとはいえわざわざ買うのはもったいないので、延べ竿の先だけを竿尻から抜いて2メートル程度の短竿に仕立てました。

テナガエビ用の竿
3.6メートルの延べ竿の先2本だけを使って竿にする

極端な話、竿はその辺の棒切れでも使えるとは思いますが、聞きアワセをしたり、ビンビンしたエビの引きを楽しむなら穂先の柔らかい竿のほうがいいと思います。

テナガエビが住む穴を探していく釣りなので、可能であれば複数本の竿を用意して同時に探ると効率良し。

短くて柔らかいならこいつも使えるのでは?とテトラ竿も用意しました。

ダイワコロネットとプロマリン極光テトラ
穴釣りセットをテナガエビ用に転用

これでもちゃんとテナガエビ釣りを楽しめたのでありっちゃあり。

ちなみにこのテトラ竿のセット、波止で胴突き仕掛けにキビナゴとかをつけて足元に垂らしておけば、ガシラやアナゴなどの美味しいお土産が釣れます。海釣りにはだいたい持っていきますね。

竿はプロマリンのテトラ竿。

リールはダイワのスーパーコロネット。

自分の中ではもう黄金コンビ。またいずれ記事にまとめたいです。

エサはアカムシのちょん掛け

エサは定番のアカムシ。200円分で2人×4時間、ちょうどなくなるぐらいの分量でした。

付け方を色々と試した結果、2匹分をチョン掛けというのが最もアタリが出やすい針付け方法でした。これは日によって変わるかもしれません。

針に付けたアカムシ
2匹分をチョン掛けしたときの反応が良かった

エサが尽きた場合、釣れたテナガエビの身をエサにするという手段もあるみたいですね。タチウオ釣りにタチウオのしっぽを使うみたいに。

なお、アカムシというのはユスリカという蚊に似た昆虫の幼虫です。夕方に外で遊んでいると、頭の上にぶんぶん群れるあの虫。

通常は水の底にいる昆虫なので、乾燥状態や直射日光があたる状態だと途端に弱ります。たぶんほとんどの場合は透明のプラカップに入れて売られているので、日が当たらないように餌箱へ移すなどしたほうがいいでしょう。

餌箱に入ったアカムシ
アカムシは乾燥と暑さに弱いので餌箱に移すべし

濡れた新聞紙やチラシを一緒に入れると長持ちします。乾いたら川の水でもいいので足しておきましょう。餌箱はMEIHOのベイト7ってのを使ってます。

横にスリットがあって通気性が確保されているので、生き餌も長持ち。

なお、テナガエビの生息域はハゼの生息域と重なります。晩夏から初秋の時期なら、それらを同時に狙うことが可能。その際のエサは石ゴカイがベストです。テナガエビは短竿で足元、ハゼはチョイ投げでやや沖と狙い分ければ一緒に楽しめます。どちらも美味しいターゲット。

アタリはあれどヒットせず

では早速実釣!

玉ウキが立つぎりぎりの範囲でウキ下をとります。サルカンの上に付けたオモリが底について、ハリスとエサが横に漂うようなイメージでタナを設定すると良いでしょう。穴すれすれに仕掛けを落とします。

ウキが立つのを確認して底までエサを落とす
ウキが立つのを確認して底までエサを落とす

しっかり底をとること、エサが底についていることが重要と思われます。玉ウキだと分りづらいかもしれませんがしっかり見極めましょう。

投入直後、早速アタリらしきウキの動き。流れとは逆方向にゆっくりウキが移動しています。これはテナガエビに違いない。

確かじっくり食わせてからゆっくり合わせるという情報を見たので、あわてず待ちます。

しかしアワセのタイミングがわかりません。もういいだろうとアワセてもスカの連続。えー、難しいやん…初心者向きちゃうやん。打率は一割程度というダメさ加減。タチウオのウキ釣りよりよっぽどタイミングが難しい。

それでも2時間ぐらいかけてなんとか数匹釣れました。

テナガエビと阪神武庫川駅
とりあえず釣れることは釣れるけどいまいち

ピント合ってないけど。

しかし家族4人、1人1匹ずつじゃ虚しい。まだまだ足りん。

パターンを掴んだ息子が爆釣!

時間は過ぎて朝10時。

まだこんな時間なのにひどい暑さ。それもそのはず、5月にしては異例の暑さで北海道では39度を超えていた日らしく。もうそろそろ諦めようと、それまで1匹ずつ付けていたアカムシを2匹づけして消費することにしました。

これが転機になったのか、それまで釣れなくてふてくされ気味だった息子がどんどん釣り上げるように。なにかパターンを掴んだようです。嘘みたいにどんどん数を伸ばしていきます。

教えを乞うと「とにかくビシッとアワセる」とのこと。アタリであろうが回収であろうが、竿を上げるときは鋭くアワセると。

なるほど、事前情報で見たゆっくりアワセるという固定観念のまま「のそーっ」とアワセてましたが、「ビシッ」に変えると途端にフッキング率が上がりました。アタリがあるということはエサの近くにエビがいるはずなんだから、とにかくどこかに引っ掛けて釣ろうと。果たしてこれがいつも通用するのか分かりませんが、とりあえず今日はそのパターンが正解でした。

子どもから教わることも多くなってきましたね。

そんなわけでわずか1時間の間に数を伸ばして、最終的に17匹。11時を前に納竿としました。

エビクーラーで生かされているテナガエビ
短時間で数を伸ばして十分な釣果に

初回の手探り状態ででこんだけ釣れれば上出来でしょう。

その後の釣行で分かった傾向など

この釣行のあとも、同じような時間に何度かテナガエビを狙いました。そこで得た知識を残したいと思います。

この一週間後にも同じ場所同じ時間に竿を出しました。ちょうど6月に入ったぐらい。この日は前回と打って変わって嘘のように渋くてアタリもわずか。5時間かけて5匹という散々な釣果でした。ずっと薄曇りでいい条件だと思われたのですが。

その一か月後、梅雨真っ最中の7月初めにもテナガエビ狙い。この日は早く目が覚めたので、5時に釣り場へ到着。日の出直後です。1投目から釣れてその後もコンスタントに釣れ続けました。サイズも以前より一回り大きくなってザリガニのよう。しかしこの日は天気が良く日が高くなるとパタッとアタリが止まってしまいました。

やはりテナガエビは基本的に夜行性なので、安定して釣ろうと思うと朝夕まずめや夜間に狙うのが手堅いのかと思われます。昼間も釣れないことはないのですが、風向きが変わったとたんにアタリがとまったり意外とシビアな気が。

夕涼みがてら日没前にちょろっと竿を出すなんてのがピッタリな釣りかもしれませんね。

釣れたテナガエビはアヒージョに

テナガエビの持ち帰り方

話が前後しますが、テナガエビは釣れたそばから水道水を入れたブクブク付きのエビクーラーに入れて生かしたままにしておきました。

エビクーラー
普段はシラサエビ用に使うエビクーラー

エビクーラーはこの2.8Lタイプを使ってますが、シラサエビがちょうど一杯分だけ入るコンパクトサイズなので、テナガエビを入れるならもうちょっと容量が大きいものがいいです。元気に活かすなら水量が多いにこしたことないので。

エアーポンプはこの安いやつを使ってますが、今回釣った匹数を活かすには十分なパワーでした。

綺麗な水で泥を吐かせないと臭みが残るらしく、調理直前まで生かしておく必要があります。水は水道水で問題無し。家に帰ってからはより大きなクーラーボックスに移して時々水を変えつつ半日ほど泥を吐かせました。

事前に調べたところ、泥を吐かせるには2~3日かかるというような記述もありましたが、半日でも特に臭みは感じなかったです。武庫川も以前より奇麗になっているのかもしれません。

持ち帰って泥を吐かせているテナガエビ
持ち帰って泥を吐かせているところ

最後まで元気よく生かすためには釣った後のダメージを最小限にする必要があるので、針外しもピンセットを使って丁寧にやりましょう。

ピンセットを使って丁寧に針外し
ピンセットを使って丁寧に針外し

それでも何匹かは調理前に死んでしまいましたが。

エビなどの甲殻類は死ぬとすぐ傷んで水を汚してしまいます。シラサエビを使った釣りをしたことがあれば分かるはず。死んで白くなってしまったテナガエビは取り出して別にしておいたほうがいいでしょう。あるいは心を鬼にしてエサとして使うか。

テナガエビの下処理

泥を吐かせたテナガエビは調理直前に締めます。

適当な容器にテナガエビを入れて料理酒をヒタヒタに注ぐと10分ほどで動きが止まります。暴れることがあるので、何かしら蓋をしておく必要があります。私はタッパに入れて締めました。

料理酒で締めたテナガエビ
料理酒で締めたテナガエビ

真ん中と右下のエビだけ白く濁って色が違いますが、これは締める前に死んでしまっていた個体です。こうしてみるとシラサエビそっくりですね。同じスジエビ系だから当たり前っちゃ当たり前なんですけど。

動きが止まったら、片栗粉と塩をまんべんなく振りかけます。これを水で洗い流すとテナガエビ表面の汚れやヌメリが取れます。

キッチンペーパーなどで水分を拭ったら下処理は終わり。あとは煮るなり焼くなり揚げるなり。

テナガエビのアヒージョを作る

テナガエビの食べ方というと素揚げが定番みたいですが、今回はちょっとだけ手間をかけてアヒージョに。

ダイソーで売ってるスキレットを買ってからというもの、アヒージョは我が家の定番になってます。たいがいの魚介類は合うし、釣りとは相性がいい料理。

レシピは適当にこんな感じ。

テナガエビのアヒージョのレシピ
  1. みじん切りにしたニンニクを香りか出るまでオリーブオイルで炒める
  2. ジャガイモやキノコ類、鷹の爪などの具を入れてオリーブオイルを継ぎ足し弱火で煮る
  3. テナガエビを入れてさらに煮る
  4. イタリアンハーブソルトなど適当なミックスハーブや塩を入れて味を整える
  5. 具材に火が通ったら完成

要するに具材を入れて良きスパイスミックスで味をととえて油でグツグツです。これが正しいのか分からないけどそれでいいんだ。美味ければ。

テナガエビのアヒージョ
ぐつぐつ煮込んでテナガエビのアヒージョを作る

というわけで出来上がりました。

テナガエビのアヒージョ
テナガエビのアヒージョ

これでテナガエビはまるごと食べられます。旨味が詰まった頭ごと。小さくて殻が柔らかいエビだからこそできることですね。ただしツノが鋭利なので口に刺さらないように気をつけましょう。味は文句なしに美味い!

具材の旨味が溶け出たオイルがこれまた美味しいので、フランスパンなどを用意して浸しながら食べます。うちの子はこれが好きで、食べ終わったあとのスキレットはすっかり綺麗に具材と油が拭い取られて洗い物もラクラク。

釣りシーズンの隙間がまた埋まった

私が熱心に釣りをするのは、豆アジが釣れ始めてからタチウオが釣れなくなるまで。神戸周辺だと6月中旬から11月ぐらいまででしょうか。それ以外はオフシーズンという位置づけ。

ところが今年は管理釣り場でのルアーに目覚めて、真冬から春の時期も釣りをするようになりました。そして豆アジまでの隙間を埋めるようにテナガエビがNEWエントリー。

だいぶ埋まりましたね。俺の釣りシーズン。

テナガエビは釣り自体も楽しかったですし、味は文句なしにいい。安全で手軽だし、釣り場も近い。これはもうリピート確定です。

武庫川の釣り場は安全だしアクセスもいいので家族連れでもおすすめです。等間隔に並んだ穴を順々に探っていくだけなので、ポイント選びも明確。釣り場も広大なので混み混みで釣り場がなくなることもないでしょう。