このサイトは2015年の初夏にスタートしました。
当初の目的は自分自身の釣行を記録すること、そして広告収入を得て釣り費用に充てたいということ。つまり極めて個人的な欲求にもとづくものでした。その欲求は9年経った今も変わらず持ち続けています。
しかし2年3年と続けていくうちにそれなりの反応をいただけるようになり、伝えたいことが明確になっていきました。
このサイトを通して誰に何を伝えたいのか改めて考えてみます。
著者のプロフィール
私と仕事とサイトと
昭和生まれの関西おじさん
理解をより深めていただくため、私のプロフィール、そして釣りとの関わりをかんたんに紹介します。
私は1978年生まれ大阪生まれ大阪育ち。47年経った今も、妻、息子、娘、家族4人で大阪の北部に住んでいます。
X(Twitter)などのSNSでは「ヒモユキ」のハンドルネームで活動しています。
このハンドルネームは本名をもじったものであり、ドラえもん30巻に掲載の「人気スターがまっ黒け」に登場する真田ヒモユキから拝借しました。人間魚拓みたいなひみつ道具が登場する回です。
仕事と趣味のスキル向上を兼ねる
仕事はWEB関連のフロントエンド的な部分についてのあれこれ。
サイトを始めるきっかけのひとつとして、仕事で必要なSEOの知識や情報をより肌で感じるためというものもありました。ライティング技術の向上も兼ねて。
実際、仕事とサイトの相互で役に立つこともあります。
釣りとは無縁だった20年
少年期にはじめた釣り
小学生から始めて中学生のころまで釣りをやっていました。
自宅近くの猪名川でフナやオイカワを釣ったり1、須磨海づり公園でサビキやタチウオの引き釣りをしたり。明石の林崎にある砂浜でカレイも釣りました。
20年の空白
中学のころを最後に釣りとは無縁の20年を過ごすことになります。特にきっかけはなく自然消滅です。
最後は垂水港で青イソメを垂らして五目釣りをした記憶があります。まだアウトレットの建設前で、漁港から西の明石海峡大橋方面には長い砂浜が続いていました。明石海峡大橋も建設途中でしたが、その時期はいつも視界の端に2組の主塔が伸びていたことを覚えています。
そんなこんなで結婚をし子供にも恵まれ、なんとなく子育ても楽になってきたと思い始めたのが2014年の春。息子が保育所から小学校にあがり一区切りついた時期です。
釣りを再開した2014年
サビキ釣りを思い出した
ゴールデンウィークにイワシが釣れた記憶
そして新しい生活リズムにも慣れた2014年のゴールデンウィーク。
長い連休、何をしようかと考えたときにふと頭をよぎったのが釣りでした。たしか5月ぐらいからサビキでイワシが釣れるというのを思い出したのです。
「ものごころがついた」という年齢はひとそれぞれだと思いますが、私の感覚だとそれは小学生から。息子が小学生になったことで自分の記憶とリンクして釣りに繋がったのかもしれません。
南芦屋浜から釣りを再開した
20年前には存在しなかった釣り場を発見
手軽に海釣りができる場所が近場に無いものかとGoogleマップとにらめっこ。すると自宅から車で40分ぐらいの南芦屋浜というところで釣りができることが分かりました。南芦屋浜は人工島。20年前には存在しなかった釣り場です。
早速子供を連れて偵察に。
潮だまりでヤドカリなどを観察しつつ南側のベランダを偵察。なるほど、足場も良くて柵もあるし良さそうな釣り場だ。まずはここから再開しよう。
記憶を頼りに最低限の道具をそろえた
自宅近所の釣具屋に行き必要最低限の道具を購入。2,000円の磯竿、900円のリール、適当なサビキ仕掛け、アミエビレンガ、水汲みバケツ。20年前のことでも必要なものは覚えているものです。
この時買ったプロマリン製の磯竿は、修繕を繰り返しながら6年間使い続けました。
そして釣れなかった
道具を揃えた翌日早朝、早速南芦屋浜ベランダで竿を出しました。これはその日、釣りを再開した直後のツイートです。2014年5月3日午前6時7分。
しかしまあ釣れませんでした。釣れない時期ではないけど、安定したサビキ釣りにはちょっと早かったかもしれません。
ジャンル細分化の壁にぶつかる
20年の時間は釣りの世界を複雑にしていた
情報過多だけど取捨選択が困難
そしてなんとか魚を釣りたいと釣りに関する情報を漁りはじめます。
しかしそこにはジャンルの細分化という大きな壁が立ちはだかっていました。アジやイワシを気軽に釣りたいだけなのに、アジングとかライトタックルだとか知らないキーワードばかり出てくる。ネットがあるから昔より情報は豊富で簡単に手に入るけど取捨選択が困難。20年ぶりに触れる釣りの世界に浦島太郎状態。
「アジをわざわざルアーで釣る?サビキでいいのでは?釣りたい魚を釣るにはそれ専用の道具が必要なの?」
もういいや、昔やってたことを思い出してそのままやってみよう。
20年ぶりに釣れたカタクチイワシ
情報収集はそこそこに、また同じ釣り場へ向かいます。
見渡してみれば、私と同じように20年前と変わらない釣り方で魚を釣る人も多い。やがて20年ぶりの魚が釣れました。
小さなカタクチイワシが数匹だったけど、本当に嬉しかった。
やっぱりこれで良かったんだ。20年経ったからといって魚の習性が変わるわけないし。必ずしも専用の道具が必要なわけじゃない。そこからすっかり釣りにはまり今に至ります。
今の釣り業界は初心者にやさしくない
初心者に厳しい釣り業界
新規参入より囲い込みに力が入っている
日本の釣り人口はどんどん減っていると聞きます。当然ながら釣り関連の市場も縮小傾向です。一時期のバス釣りブームが終息したというのが大きな理由だとは思いますが。
私が感じた釣りの細分化は、今も釣りをしている人を囲い込むため、新しい釣具を買ってもらうためという狙いがあるはず。その狙いが間違っているとは思いません。道具を楽しむのも釣りの楽しみのひとつ。
釣りを始めるハードルが高い
でもそれは、釣りを始めるためのハードルを上げる結果にもなっています。気軽に釣りを始めたいのに、細分化や専門化が進んで足を踏み入れづらい。
頂上を目指す必要なんてない
今の釣りは急峻な山のようで足を踏み入れにくい
今の釣り業界を「山」に例えましょう。
その山の斜面は急で頂上が尖っています。そしてなだらかな裾野がありません。登ろうにもいきなり行く手を阻む急斜面が目の前に立ちはだかる。そして登山道が何本もあってどのルートを選べばいいのかすら分からない。
もちろんその頂上を目指す楽しみや登りつめた達成感はあるはずです。しかし初心者がいきなりそこを目指す必要はありません。
険しい山でも気軽に楽しめる場所がある
幸いにして私は釣り経験があり、ちょっと頑張って斜面を登れば平坦で誰でも楽しめる場所があることを知っていました。必ずしも頂上を目指す必要はなく、ずっとそこで遊んでいていいことも知っていました。
でも知らなかったら引き返していたかもしれません。実際あきらめた人も多いでしょう。これでは釣りそのものが先細る一方です。
釣りの世界へ踏み出す一歩を後押ししたい
自分が釣り業界をなんとかしなければなんて大それたことは思いませんが、せめて釣りの世界に第一歩を踏み出す助けになりたい。私のように釣りへの障壁を感じた人の背中を押したい。釣りの裾野を広げて一緒に釣りを楽しみたい。そして釣りをする人が増えてほしい。
こうしてこのサイトのコンセプトがまとまりはじめました。
このサイトの読者として想定している人物像
こんな人に読んでほしい
このサイトはこのような人が読むことを対象にしています。
読者が釣りをする地域
カバーできるのは大阪湾沿岸のみ
釣りは地域によって異なる特性があります。
その時期その場所によって釣れる魚というのは違いますし、同じ魚を狙うにも地域によって仕掛けやエサが違ったりします。残念ながら私の経験や知識でその全てをカバーすることができません。
だから対象とする地域は狭い範囲に特化しています。その地域はこちら。
大阪湾周辺
狭い!厳密にいえばこの中でも大阪湾北部の神戸から尼崎付近というさらに狭いエリアです。もちろんその他の地域で釣りをする人にこのサイトが役立ったと感じて頂けるなら、それはとても嬉しいことです。
読者として想定する人物像
過去の自分に向けて
今まで書いてきたことをまとめますと、具体的な人物像が浮かび上がってきます。
関西地方に住んでいてかつて釣りをしていた。子どもができて一緒に釣りを再開したくなった。でもお金はあんまりかけたくないなあ。あと食べられる魚を釣りたい。
関西在住で子育ても落ち着いてきた30~40歳代の中年で食べることが好き。しかしあまりお金は使いたくない。でもいろいろな釣りをしてみたいし料理にも挑戦したい。
つまりはこれ、2014年に釣りを再開した当初の私自身なのです。「あのときはこれで困った」「これがわかってから釣れるようになった」そんな過去の経験を思い出し、過去の自分にアドバイスするように書いています。
このサイトのミッション
ここまで読んでもらえたならば、私とこのサイトのバックグラウンドをなんとなくご理解いただけたのではないかと思います。私がこのサイトを通して伝えたいこと、このサイトの役割をまとめると以下のようになります。
役割なんて大層なもんではないですがひとつずつ補足します。
初心者に立ちはだかる釣りの敷居を下げて裾野を広げる
これはさっきまで散々書いてきたので省略します。とにかく初心者のハードルを下げたい!
家族共通で楽しむ趣味や余暇として釣りを提案する
釣りは家族一丸になって楽しめる趣味
当初は私一人で再開した釣りですが、今では息子が同行するパターンがほとんど。夏や秋のハイシーズンには家族全員で釣りに行くことも多くなりました。
家族で釣りをするプロセスってこんな感じ。
「家族で何を釣りたいか考える。あるはどんな魚を食べたいか。そして釣り場を選ぶ。みんなで移動する。並んで竿を出す。持ち帰った魚を料理する。一緒に食卓を囲む。」
家族一丸となって目的を決めて計画を立てて、その喜びや成果物を共有できるんです。こんな趣味はなかなかないと思います。もちろん家族一緒に楽しめる趣味は他にもたくさんあるでしょうけど、私は第一に釣りを提案します。
自分で釣った魚を自分で食べることの楽しさを伝える
魚を美味しく食べるために
釣りを再開した当初は「とにかくなんでもいいから魚を釣りたい」というのが目的でした。しかし、釣りに慣れるにつれ、釣りに行く目的、モチベーションが明確になってきたのです。
それは「魚を美味しく食べる」ということ。
再開当初は妻に調理をたのんでいたものの、ときに数十匹と釣れる魚を預ける図々しさは無く、なりゆきで調理をするようになりました。それまでろくに包丁すら握ったことなかったのに。
慣れればなんとかなるもので、ほとんどの魚はさばけるようになり、魚種ごとの適切な調理方法もなんとなく身につくようになってきました。
気がつけばもう「アジを刺身で食べたい」とか「ガシラの煮付けを食べたい」とか「タチウオの炙りが食べたい」とか、釣った魚を食べるということを一番の目的、ゴールとして釣りへ行くように。
20年ぶりの釣りを再開した当初からずっと「食べるための」サビキ釣りを続けていますが、個人主催の豆アジ釣り大会で優勝させていただくこともできました。
食べたい魚が狙い通り釣れることもあれば、全く想定外な魚が釣れることもあります。それは魚屋には並ばないような魚だったり、釣り人ですら捨てるような魚だったり。そんな魚も思い切って食べてみれば高級魚をしのぐ味だったりすることも。そんな偶然の出会いも楽しみの一つ。
季節を大切に思えるようになった
魚種ごとにある魚の旬というのも、売り手側の思惑だったり目安でしか無いことも知りました。
釣れる場所や時期によって美味しい時期は異なる場合があります。「あのときあの場所で釣ったイワシの刺身は美味しかったなあ。そろそろ寒くなってきたし行ってみるか。」と季節に敏感になったりもします。日本の四季の素晴らしさも再確認できるように。
釣りを再開するまでは丸の魚を捌いて刺身にするなんて敷居が高すぎると思っていましたが、釣りと同様そんなことはありませんでした。やってみればなんとなかるもんです。
釣って食べることの楽しみは今後も力を入れて伝えたいことの一つです。今はまだまだ不十分に感じています。
釣りの裾野を広げたい
一番の願いはより多くの人に釣りを楽しんでもらいたいということ。
そしてその楽しみをたくさんの人と共有したい。もっと広げたい。色んな人を巻き込みたい。
そのためには釣りの裾野を広げる必要があります。本来釣りは誰しもができる趣味のはず。手軽に、そして気軽に、老若男女誰でも楽しめるものなんだということを伝えていければいいなと考えています。
みなさんで一緒に釣りを楽しみましょう!
- 当時はどうだったか知る術がありませんが、現在は猪名川流域のほとんどに漁業権が設定されており、釣りをするには遊漁券を購入する必要があります ↩︎