大阪湾の秋の風物詩タチウオ釣り。
釣り公園や堤防、漁港など、あらゆる場所で手軽に狙うことで出来るターゲットです。釣って楽しい食べて美味しいから、大阪湾の陸から狙う魚としては最も人気が高い魚種のひとつ。
秋が深まれば大阪湾のいたる場所で釣れるのですが、京阪神地域にお住まいで海釣りを始めた初心者におすすめしたい釣り場が「南芦屋浜ベランダ」。大都市圏からも近く自動車でのアクセスが大変便利で、初心者でもカンタンにタチウオを釣ることができる人気釣り場です。
サビキ釣りからスタートしてアジやイワシを釣っているものの、そろそろ他のターゲットも狙いたくなってきた初心者のあなた。特に京阪神にお住まいのあなた。
南芦屋浜ベランダでタチウオを釣ってみませんか?南芦屋浜に数年通って身につけた、タチウオ釣りの攻略法を伝授します!
南芦屋浜ベランダってどんな釣り場?
工事のため今は利用できません
2018年の台風被害、特に高潮による被害のため、南芦屋浜ベランダは大きなダメージを受けました。
2021年8月現在、その復旧工事中のため、南芦屋浜ベランダは立ち入り禁止となっています。再開のめどは2021年6月末以降…だったのですが、工事の進捗が影響しているらしく現時点で未定。それまでは、南芦屋浜の西側や北側の護岸を利用するようにしましょう。
また、再開後は今までなかった夜間閉鎖の時間が設定され、夜20時までしか釣りをすることができません。タチウオは十分狙える時間設定ですが、これまでのように夜通し狙うことはできないのでご注意ください。なお朝は6時から解放されるので、ぎりぎり狙えるかどうかといったところです。
こちらの記事に詳しくまとめています。
芦屋の沖にある人工島
南芦屋浜ベランダ。
それはご存知「セレブが住まう街芦屋」の沖にあります。2000年前後にできた大阪湾では比較的新しい人工島であり、その外周のほとんどで釣りができるという、釣り人にとっては恵まれた環境にあります。
私が作成したマップがあるのでこちらをご覧ください。緑でふちどった箇所が釣り可能なところです。
ご覧のとおり南西にある砂浜と東にあるマリーナ以外、ほとんどの場所で釣りができます。釣り公園ではありませんので、もちろん料金は必要ありません。水道やトイレも要所要所に設置されているので、家族連れでも安心です。
車でのアクセスが前提
沿岸から離れた人工島ではありますが、何本かの橋で陸と繋がっており、阪神高速の出入り口もあります。車でのアクセスを前提とすれば都心部からのアクセスも良く、非常に利便性が高い場所です。
実際に車で釣りにくる人がほとんど。島内は有料駐車場も充実しているので、何らかのイベントと重ならない限りどこにも車が停められないということは滅多にありません。
反面、車以外でのアクセスはかなり不便。
最寄の鉄道駅からは相当な距離を歩かないといけませんし、バスの本数もかなり少ない。2019年現在まだ開発中の街なので、いずれは増便など変化はあるかもしれません。しかし現時点では車移動を前提にしないと大変不便な場所といえます。
どれぐらいタチウオが釣れる?
タチウオは回遊魚だから
タチウオはきまぐれな回遊魚。
基本的にはベイト、つまりエサとなるイワシなどの小魚を追って移動する魚です。そしてその小魚の移動もきまぐれ。
テレビ番組で南芦屋浜のタチウオ釣りが取り上げられていると、簡単にバンバン釣れているように見えます。釣具屋の釣果情報をみたら「タチウオ大爆釣!」なんて文字が躍っていたりもします。
そんなボーナスステージのようなタイミングもあるといえばあるのですが、それは運しだい。
釣れない日もあるから運にも左右される
正直に書くと、左右100メートル見渡す限り誰も釣れてなかったという日も当たり前にあります。これは南芦屋浜に限ったことではありません。タチウオ釣りはそんなもんです。「この記事を読んだら爆釣間違いなし!」なんてことはとても書けません。
だからどれぐらい釣れるかというと表現が難しいのですが、最悪0匹という結果は十分に有り得ること。反対にいい場所いいタイミングに出会えれば1時間で2桁(10匹以上)ぐらい釣ることも十分に可能と思ってもらえればいいかなと。
運に左右されるのは前提ですが、その運から釣果を引き出す経験とテクニックが釣果アップの秘訣です。
南芦屋のタチウオ釣り最大の難関は釣り場の確保
京阪神屈指に人気釣り場
南芦屋浜はテレビの釣り番組でも頻繁に取り上げられているため、非常に知名度が高い釣り場です。交通の便もいいし、施設も充実している。柵もあって安全。
こんな条件のいい釣り場が混まないはずありません。そもそもタチウオ釣りは大阪湾の海釣りで最も人気のある釣りのひとつ。タチウオ釣りのピークである10月から11月は混雑が「えげつない」ことになります。
かつて24時間自由に出入りできたころは、夜中の3時や4時に来ても釣り場が確保しにくいような状況でした。
余裕を持って釣り場を確保する方法
南芦屋浜でタチウオ釣りをして数年。その経験から得た、大混雑の南芦屋浜において余裕を持って釣り場を確保する手段を紹介します。
それがこの4つ。
お昼に釣り場に入って場所を確保する
ファミリーで釣りを楽しむ人は、朝から来てお昼前に帰ったり、レジャー的に釣り場でお弁当などを食べてから昼過ぎに帰る人が多いです。お昼過ぎぐらいは一時的に人が減ります。
そこがひとつの狙い目。
帰りそうなグループを見つけて「終わられますか?」などと聞いて確認し、問題なければ次に入らせてもらいましょう。確実に広い場所が確保できます。
でもタチウオが釣れ出す夕まずめまで時間が余ります。それまでどうすればいいかって?もちろん釣りをすればええんやで!タチウオが釣れる時期はサビキでいろいろな魚が釣れるし、タチウオの時期は南芦屋浜名物のサヨリもピーク。
暇を持て余す時間なんてありません。存分に釣りを楽しんでください。休憩しながらやるも良し。サビキでつれた小魚はタチウオ釣りのエサとしても使えます。
でも場所取りのためにラインを通してもいない捨て竿を並べてどこかに行くのは論外なのでやめてください。そういうことをする残念な人たちも居ますけど。
夕ご飯のおかず確保を目的にしているのか夕方を前に帰宅するグループもいるので、そこもひとつの狙い目ですね。
夕まずめ終了後にルアーマンが帰るのを待つ
もうひとつ、タチウオが釣れる時間に人が減るタイミングがあります。
それは夕まずめの時間帯が過ぎてルアー専門の釣りをする人たちが帰るタイミング。日没から一時間も経つと真っ暗になり、タチウオの釣果も一旦落ち着きます。そこからはルアーよりウキ釣りのほうが断然有利になるため多くのルアーマンが帰宅するのです。ここも意外と狙い目。
ウキ釣り派ならご一考ください。
2021年夏以降は20時で夜間閉鎖となるのであまり時間的な余裕がありませんが。
ベランダ以外の場所で狙う
駐車場が近く足場もいいこともあって、南芦屋浜では南側のベランダに人が集中します。でもそこじゃないとタチウオが釣れないわけではありません。
西の砂浜にある石畳の突堤みたいな場所。眼前に深江浜を望む石畳状になった西向きの岸壁。ここにもタチウオは回遊してきます。特に秋も深まった時期になると、湾の奥へ奥へとタチウオが回遊してくるので、北側でも釣れるチャンスが増えてきます。
南側のベランダに比べたら比べ物にならないぐらい人が少ないので、のびのびと釣りができます。ただベランダに比べて手前の水深が浅いので、ルアーやテンヤなどの遠投できる仕掛けが有利です。
南側のベランダでも駐車場から離れるにつれて人の密度は減るので、東へ東へ歩いて場所を探すのもひとつの手です。
寒くなって人が減るまで待つ
最後は消極的な手段。混んでるときは行かずに冬を待つ!
11月も後半になると寒波が到来する日もあり、かなり気温が下がる日が出てきます。行楽シーズンに家族でワイワイと釣りをしていた層が自然に減っていき、釣り場に多少の余裕がでてきます。
と言っても本気の釣り人は氷点下近くになっても当たり前に釣りをするし、タチウオは意外と低い水温になっても釣れる魚です。だから12月や年末年始でも結局それなりに混んでたりします。
ちょっとそのようすを覗いてみましょう。これはある年の12月30日の様子。
この年は暖冬で、年末年始でもタチウオの釣果が好調でした。そのせいか東の奥までびっしり人が入ってます。最盛期に比べれば少ないですが、気軽に入っていける隙間は残されていません。
明日は大晦日やで?大丈夫?お母さんに怒られるぞ。
タチウオが狙える時期は秋から冬
釣れ始めは例年9月末ぐらいから
8月ぐらいにパラパラと釣れることもありますが、南芦屋浜でタチウオが釣れ始めるのは例年9月末ぐらいから10月頭にかけて。
夏休みぐらいの時期から「夏タチ」と呼ばれる小型のタチウオが南芦屋浜から数キロ西に離れた神戸周辺でたくさん釣れることがあるのですが、なぜか南芦屋浜ではほとんど釣れません。ゆえに秋まで、涼しくなるまで待つのがセオリー。
南芦屋浜は大阪湾岸の釣り場で一番遅くタチウオが釣れ始める釣り場になります。これはタチウオの回遊ルートが影響しています。
大阪湾のタチウオは西は明石海峡から、南は紀淡海峡から回遊します。南芦屋浜付近はそのゴール地点、あるいは合流地点といえます。
南芦屋浜は大阪湾で最後までタチウオが狙える釣り場
タチウオが釣れはじめるのが遅い南芦屋浜。しかし大阪湾で最も遅くまでタチウオが狙えるのも南芦屋浜付近です。
ではいつまで釣れるのでしょうか?
冬の訪れが早いと12月早々に釣れなくなりますが、暖冬傾向なら年明けの1月後半まで釣れ続けることもあります。 それはその年の天候、そしてその天候の影響をうける水温に左右されます。
こちらも詳しくまとめています。
目安になるのは「水温13度の壁」です。
タチウオが釣れる時間は日没から日の出まで
日没前後と日の出前後に釣果が集中する
この釣り場に限らず、陸からタチウオが一番良く釣れる時間帯は日没前後と日の出前後の一時間ぐらいです。いわゆるまずめ時ってやつですね。夕方は夕まずめ、早朝は朝まずめ。
これはベランダの左側(東側)、大阪の南港方面から朝日がのぼろうとしてる早朝のようす。こんな色の空になると、今か今かとソワソワしてきます。
この時間帯になるとあちらこちらで一斉に竿が曲がり、そこらじゅうで刀のようなタチウオがギラギラと乱舞する光景を見ることができます。
その日のコンディションによってはほとんど無反応ということも有りますが、一般的にはタチウオが釣れる可能性が最も高い時間帯です。このタイミングで釣り場が最も混雑します。
まずめ時はルアーやテンヤなど、遠投できて手返しがいい仕掛けが有利です。
暗い時間はいつでもチャンス有り
夕まずめ時のラッシュが落ち着いたらタチウオのアタリが明らかに減ります。皆さんそれを知ってるので、ルアーマンを中心に釣り場から人が減ります。
だからといって釣れなくなるわけではありません。ムラはありつつも、時おり何匹も釣れ続くような時合いが訪れることがあります。
この時間帯はウキ釣りをはじめとしたエサ釣りが有利。
20時で夜間閉鎖となってしまうため狙える時間は限られますが、覚えておくと釣果を伸ばせるはず。
真昼間に釣れることもあるけど
何度も書いているようにタチウオは暗い時間に釣れる魚。船釣りだと事情は違ってきますが、陸からタチウオを狙うぶんには明らかに「夜釣り」の対象魚です。
じゃあ明るい時間に全く釣れないかというとそうでもなく。
基本的にタチウオは明るい時間に沖の深場にいて、夜が近づくにつれて岸に寄ってきます。朝はその逆で、明るくなるつれ沖に帰っていく。なので、近づきつつあるタチウオ、帰りつつあるタチウオを狙えば、日没1時間前、日の出1時間後ぐらいは十分釣れる可能性があります。
そしてこれはレア中のレアケースですが、真っ昼間の南芦屋浜でタチウオが釣れることもあるっちゃあります。私自身、まだまだ夕方まで時間のある14時台に南芦屋浜でタチウオを釣った経験があります。
極端な例だと、それこそ真っ昼間の12時台に釣れることすらあります。
共通する条件は、曇り空だったり海が濁っていたり、海中が暗いというシチュエーション。
しかしこれはあくまでレアケース。「よーしパパ真っ昼間にタチウオ釣っちゃうぞー」と狙って簡単に釣れるもんではありません。あくまで偶然が重なって釣れるもの。
面白い体験ではあるので、どんよりして昼間なのに夕方みたいな雰囲気だなという日があれば思い出してみてください。できるだけ遠投したうえで海底付近を狙えば釣れる可能性があります。
タチウオの釣り方は時間帯で選ぼう
エサ釣りでもルアーでも
タチウオは様々な狙い方が出来るターゲット。南芦屋浜でも、いろいろな釣り方でタチウオを狙うことができます。
大別すると、以下2タイプの狙い方があります。
エサ釣りと一口にいっても、ウキ釣りやテンヤ釣りなど色々な仕掛けや狙い方があります。ルアーはメタルジグなどのハードルアーを使ったりワームなどのソフトルアーを使ったり、使えるルアーはたくさん。
このようにいろいろな狙い方ができるというのも、タチウオ釣りが人気の理由と言えます。
それぞれ自分の好みに合った釣り方をして楽しめばいいと思いますが、タチウオを狙う時間帯によって使い分けるのも楽しみ方のひとつであり、釣果を伸ばす秘訣でもあります。
明るい時間は遠く深い場所を狙えるメタルジグなどが有利
日没前や日の出後の明るい時間帯。
この時間帯は、沖の深いポイントにタチウオが居るタイミングです。このポイントをウキ釣りで狙うのは現実的でありません。
だからこの時間帯は、遠投ができて仕掛けを早く深く沈められるルアーが圧倒的に有利。ルアーの中でも重いからよく飛んで早く沈むメタルジグが、明るい時間帯のタチウオに最適といえます。 蓄光塗料が使われたゼブラ柄のメタルジグはタチウオ狙いの定番。
ルアーとエサ釣りのハイブリッドともいえるテンヤも、メタルジグと同じように遠投できて早く沈められる仕掛け。だからエサ釣りであっても明るい時間帯のタチウオ狙いに有効です。
テンヤは各釣り具メーカーから色々なタイプが売り出されていますが、中でもシマノの太刀魚ゲッターがイチオシ。
太刀魚ゲッターについてはこちらをご覧ください。
陸から狙うタチウオ釣りの中で最も簡単確実にタチウオを釣ることができるのは、太刀魚ゲッターを使ったテンヤ釣りだと思います。
暗い時間はエサを使ったウキ釣りに軍配
日が完全に落ちて、暗くなってからはウキ釣りの独壇場です。
暗くなるとタチウオは動きの早いエサを追いにくくなるためルアーは不利になり、ウキ釣りでじっくり狙う釣り方が有利になります。
様々なカラーの電気ウキが並ぶ光景は幻想的です。
個人的にこの電気ウキが並ぶ光景は大好きです。ウキ釣りについて詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
ウキ釣りのおすすめ仕掛けは、がまかつのつらぬきタチウオ仕掛け。
ウキ釣り仕掛けは無理に遠投する必要はありません
南芦屋浜で夜にウキ釣りをしていると、力いっぱいウキ釣り仕掛けを遠投してめいっぱい沖のポイントを狙う方がいます。もちろんそれはそれで狙える範囲が広がるので間違っているわけではありません。
でも意外と岸の近くまでタチウオは回遊してきます。
経験上、足元付近から10メートル沖ぐらいの近い範囲でも十分に釣れる可能性があります。南芦屋浜で10メートル沖というのは、その辺りから急に水深が深くなっている、いわゆる「かけあがり」がある位置。かけあがりはプランクトンをはじめとしたエサが溜まりやすく、ほとんどの釣りに共通する鉄板の好ポイント。遠投しなくてもこの範囲を狙えば釣れます。
なんなら竿の真下、つまり岸壁から4メートルぐらいの範囲でも当たり前に釣れます。
タチウオはエサとなる小魚を岸に追い詰めて捕食するという習性があるらしく、それが岸壁付近がねらい目という裏付けにもなります。
遠投もいいのですが、暗い時間に仕掛けを遠投してラインを多く出してしまうと何かとトラブルの原因になります。初心者は堅実に10メートル程度の範囲内を狙うのがおすすめです。
そのときの潮位によりますが、足元からかけあがりまでの水深はだいたい6メートル前後。岸から近い10~15メートルの範囲内を狙うなら、タナ、つまりウキから針までの距離は3メートルから始めましょう。いわゆる2ヒロのタナです。
初心者にはエサ釣りがおすすめ
ルアーとエサ釣り。
南芦屋浜でタチウオをたくさん釣るためにはどっちを選べばいいんでしょうか?
これはその日の状況次第だったりします。エサのほうが反応がいい日もあれば、ルアーのほうがいい日もある。その人の腕にもよりますけど。
でもどちらが初心者向きかといえば、それは間違いなくエサ釣りです。
ルアーで魚を釣るには最低限のテクニックと経験が必要です。ルアーを投げ込んで放置しててもます魚は掛かりません。しかし極端な話、ウキ釣りであればエサがついたウキ釣り仕掛けを海に放り込んでおけば釣れる可能性があります。テンヤ釣りであっても、投げて沈めて一定速度で巻いてくるだけ。
手段は問わずとにかくタチウオを釣りたいという場合は、まずエサ釣りから始めましょう。
可能であれば時間帯に合った釣り方を選びたい
釣り場における暗黙のルールとして「先行者優先」というものがあります。
これは南芦屋浜でも同じ。後から釣り場に入った人が「隣の人の釣り方だと自分の釣りがやりにくいなあ」と感じても基本は黙って隣の人に合わせるもの。
タチウオ最盛期の南芦屋浜のように混雑した釣り場においては、特に配慮が必要だと感じることがあります。
ルアーやテンヤなどの投げモノ系は遠くに投げて手前に引いてくる前後の釣り。対してウキ釣りは潮にのせて仕掛けを流す左右の釣り。
交錯する縦と横。
必然的に絡む確率が高くなります。近い距離に並んでやるには絶望的に相性が悪いそれぞれの釣り方。この2者間でのトラブルは秋の風物詩のごとく頻発する光景ですし、私自身もしょっちゅうこの場面に遭遇します。テンヤを投げたいのに眼の前を電気ウキがプカプカ流れてるとか。
かといって、ここからここはルアー釣りのゾーン、あっちはウキ釣りゾーン、なんて場所指定するのは不可能。管理者がいる釣り公園じゃありませんから。
基本は「先行者優先」というルールを大前提に、お互い配慮しつつ楽しみたいものです。
どんなエサを選べばいい?
さて、さきほど初心者はエサ釣りがおすすめと書きました。ではエサ釣りにはどんなエサを選べばいいのでしょうか?
万能エサとしてのキビナゴがベスト
タチウオのエサとして一般的に使われるものを挙げてみます。
これらは、釣具屋やエサ屋のショーケースで冷凍された状態で売られています。この中で一番のおすすめはキビナゴです。
理由はウキ釣りにもテンヤ釣りにも使えて、エサのサイズもタチウオ釣りにぴったりだから。
1パック買えば、夕まずめ時のテンヤ釣り、暗くなってからのウキ釣り、両方に使えて無駄になりません。
また、ハサミで適当な大きさに切ったキビナゴを針につけて岸壁付近に垂らしておけば、ガシラなどの根魚も狙えます。寿司ネタでおなじみのアナゴも、意外と簡単に釣れたりします。
余ったら再冷凍すれば保存がきくし何かと使い勝手がいいエサです。
キビナゴはスーパーや魚屋で取り扱っていることも多い食材。とくに10月から12月ぐらいは旬を迎えるため入荷が多くなります。見かけたら買ってみましょう。そのまま使えますし、潮で締めたら冷凍保存がきいて針もちがいい釣りエサに加工することもできます。意外とカンタンですよ。
そもそもキビナゴは食べても美味しい魚です。あんな小魚なのに妙に味が濃くて美味い。手開きで刺身にするのがおすすめです。一度タチウオになったつもりで食べてみてください。だからって釣果は上がりませんが。
サビキで釣れた小魚もエサとして使える
既に書きましたが、タチウオはエサとなる小魚を追って岸に近づく魚。
タチウオはその小魚を追って岸に近づくわけですよ。その小魚を食べたいばかりに。じゃあその現地で泳いでいる小魚をエサにするのがベストだと思いませんか?
今日は焼肉を食べたいな~って気分のときハンバーグを出されたらまあ肉には違いないから食べますけど、やっぱり焼肉を食べたいときに焼肉が出されたらそっちを選びますよね?ね?(何を言ってるんだ?)
でもどうやって手に入れる?
カンタンです。釣ればいいんです。サビキで。
特にカタクチイワシはタチウオ用のエサとして使い勝手がいいです。タチウオが釣れる時期のカタクチイワシはサイズもジャストサイズ。そりゃそうです、そのカタクチイワシを追ってタチウオが回遊してるんだから。
その他小アジや小サバ、サヨリなんかもエサとして使えます。
タチウオ自体もエサになる
タチウオが順調に釣れてるけど、用意していたエサが尽きてしまった。サビキでイワシを釣ろうにも夜中は釣れない。でもまだタチウオを釣りたい。南芦屋浜は、車で10分の距離に24時間営業の釣具屋があるけど、今から買いにいくのもなあ?
そんなときはクーラーボックスを開いてください。そこにエサがあります。
そう、タチウオを使えばいいのです。
タチウオは共食いをする魚。共食いって残酷に感じるかもしれませんが、自然界では魚に限らず昆虫なんかでもよくあることです。野生の動物としてはいたって普通の生態。
ではこのタチウオを見てください。
短いですよね。まな板にのってるので包丁で切ったと思うでしょ?
でも実はこれ、この状態で生きて泳いでいて、まさに私が釣り上げたものです。上がってくるまでは力強い引きで、完全なタチウオと遜色ありませんでした。ここまでになるのは極端な例として、尻尾の一部が欠けた程度のタチウオは当たり前に釣れます。
どうやら尻尾が好きみたいですね。
尻尾の部分はヒラヒラした動きも出せてアピール力があるので、タチウオ釣りの特効エサとして知られています。身の部分も短冊切りなどにして、ウキ釣りのエサとして使えます。
南芦屋浜ベランダでのタチウオ釣りで気をつけたいこと
狭い場所に無理矢理入らない
繰り返し書きますが、タチウオが釣れる時期の南芦屋浜は大混雑します。それゆえ隣の釣り人との間隔はとても狭くなることがほとんど。それでも大半の人は周囲への配慮をしつつ空気を読みながら竿を出しています。
そんな中、下手くそで空気を読まない人が横に来ると自分の釣りがままならなくなることもあったりするわけで。表現が悪いのは承知ですが邪魔だなと感じることが。
なので、こりゃちょっと先行者に迷惑掛けるかもという場所に入る場合は、必ず両隣に一声掛けるのが大人のマナーだと思います。入れてあげる方も、余裕があるなら入れてあげればいいし、無理だと思えば率直に断っていいと私は思います。くれぐれもケンカは避けてくださいね。ほんとピーク時は怒号が聞こえることがあるから…
ウキを流しっぱなしにしない
湾奥といえど、潮が動くときは川の流れのような速さになることもある南芦屋浜。
ウキ釣り仕掛けを放っておくと、どんどん流れていって隣の釣り人のテリトリーを侵してしまいます。そうすると仕掛けが絡んだり、隣の人が仕掛けを投入できなかったりするので気をつけましょう。その場から離れるときは必ず仕掛けを海から上げておく必要があります。
また、しっかり管理できないならウキ釣りの竿を2本以上出すのも控えましょう。何本も仕掛けを投入しておきたい気持ちは分かりますが、それなら1本に集中して誘いを掛けるなどしたほうがよっぽど効率よく釣れます。
自分が出したゴミは必ず持ち帰る
南芦屋浜ベランダはいわゆる公園ですが、ゴミ箱は設置されていません。
なので自分たちが出したゴミは必ず持ち帰りましょう。一回の釣りで出るゴミの量なんてたかが知れてます。せいぜいスーパーの袋が1袋分ってとこでしょ?車で来てるんだからキュッと結んでポンと積めばいい。
地面に落としてしまったエサはやがて悪臭を放つので、ゴミと一緒に持ち帰る。少量なら海へ返せばカニや小魚など岸壁の生き物が処理してくれます。
他の人がやってるからって釣り場に放置してこないように。こんな恥ずかしいことしちゃダメ。
ここ数年、京阪神地区では釣りが禁止になった箇所がいくつもあります。定かではありませんが、ゴミの放置をはじめとするマナー違反が原因との見方があります。マナーを守って未来に釣り場を残しましょう。
周りは住宅街ということを意識する
京阪神における海釣りのメッカとなって久しい南芦屋浜ですが、本来この島は住宅を中心としたひとつの街です。年を追うごとに確実に住宅が増え、街が完成に近づいているのを年々実感しています。決して釣り人のための場所ではありません。
ベランダから北に数十メートル進めばそこはもう閑静な住宅街。すぐ近くに釣り人とは何の関係ない個人の生活圏があります。
静かな夜、釣り場で大きい声を出せば住宅に十分聞こえる距離です。コンビニにでも行こうと、友人と住宅街を喋りながら歩けば騒音になります。残念ながら路上駐車が酷いこともあります。いつ警察や役所に苦情がいって釣りが禁止になってもおかしくない状態です。
先ほどのゴミ問題と同じく、マナーとモラルを持って釣りをしましょう。 あくまで「釣りをさせてもらっている」という謙虚な気持ちが必要じゃないでしょうか?
近場で手軽にタチウオ釣りを楽しもう
以上、南芦屋浜でのタチウオ釣り攻略法でした。
お住まいの場所にもよりますが、南芦屋浜ベランダは大都市近郊から手軽にアクセスできる釣り場です。
それゆえ混雑は避けられませんが、海釣り初心者が次の段階へステップアップするための環境が整っています。条件さえあえば、タチウオが爆釣なんてことも夢ではありません。施設も整っているので、ご家族連れで釣りを楽しまれるのもおすすめです。
私自身、南芦屋浜でタチウオを釣ってから釣りの世界が広がりました。
マナーを守ってタチウオ釣りを楽しみましょう!