自分で釣った魚を自分で調理して食べたい!
そんな理由で釣りを始めたあなたに聞きたい。今まで魚をさばいたことがあるだろうか?そもそも料理自体「出来る」と胸を張って言える自信があるだろうか?
いや安心してください。なくていいんですよ。怒ってないですよ。同じく釣った魚を食べたいがために釣りを始めた私は経験も知識も自信もゼロでした。あなたと私は仲間です。
10年の釣りと調理経験から、釣った魚を調理するために必要な道具を紹介します。まずは最低限必要な道具を低コストで揃えることから始めましょう。
さしあたり特別な道具は必要ありません
魚をさばくにはいろんな大きさの包丁セットみたいなのが必要なんだろ?刺身を作るには刺身包丁ってやつで魚をさばくんだろ?とにかく特別で高価な道具がたくさん必要なんだろ?
かつての私にとって魚をさばくための知識はそのレベル。失礼ながらあなたも今そのレベルかもしれません。
しかし今なら言えます。
釣った魚をさばくために必要な道具はまず最低限でいいということを。既にあなたのご家庭にあるであろう調理道具、そしてこれだけは用意しておきたい数点の道具があればさしあたり大丈夫!
専門店で数万円する鋼の出刃包丁を買えとかいいません。手軽にそして低コストで魚をさばくことから始める。その観点でこの記事を書いています。
高価な包丁よりまずは砥石を用意すべし
やはり魚をさばくには包丁がないと始まりません。どんな包丁が必要なのでしょうか?
まずは家にある包丁を使ってみよう
魚をさばくんだからまずは専用の包丁を用意しなければいけない。よく知らんけど魚だからきっと刺身包丁ってやつが必要に違いない。買わなくては。
いやちょっと落ち着こう。あと刺身包丁はとりあえず無くていい。
あなたの家にも包丁の一本や二本はあるはず。多くの場合、その包丁は万能包丁とか三徳包丁とか文化包丁と呼ばれるタイプの包丁だと思います。
まずはそれを使いましょう。切れ味が保たれている包丁ならたぶん問題なく魚をさばけます。ステンレスでもいいから金属の包丁なら大丈夫です。セラミック製はごめん無理。
その包丁が魚をさばくのに最適かどうか?それは経験を積んだあとで判断すればいいこと。必要と判断した段階で自分に合ったものを買い足せばいい。最初から高価な専用の包丁を用意する必要はありません。なんならダイソーで売ってる100円の包丁でもいいぐらい。
以上をふまえて、魚を捌くときに必ず用意しておきたい道具。とりわけ一般家庭には無い可能性のある道具。それはたったひとつだけ。
その道具とは「砥石」です。
美味しさと安全のために砥石で切れ味を確保する
はあ?砥石?砥石で魚は切れないだろ?何言ってんの?
いやちょっと落ち着こう。確かに砥石で魚は切れない。
しかし砥石を手に入れて包丁を砥ぐことを身に付ければ、極端な話、100均の包丁でも十分な切れ味を手に入れることができます。そしてその「切れ味」こそが魚をさばくために重要な要素となります。
よく切れる包丁は魚を美味しくする
切れ味の鋭い包丁を使って作るピンと角の立った刺身は美味しい。切れ味の鈍った包丁で切った魚は身がグズグズになり味が落ちる。
その程度で味が変わるのかという疑問があるかもしれませんが、刺身で食べるならその差は歴然です。鮮度の維持にも関係してきます。
よく切れる包丁のほうが怪我をしにくい
切れ味が鋭いと手を切りやすくて初心者には危険じゃないか?
そんな先入観があるならそれは今日ここに置いて行ってください。切れ味が悪いと余計な力を入れてしまうのでミスをした際の危険度が高まります。切れ味のいい刃で切った指は、浅ければすぐ血が止まるし数日で塞がることがほとんど。
いくら高価な包丁を使おうとも刃がなまっていると意味がありません。手入れを怠ると1万円を超える包丁が100均の包丁に負ける可能性すらあり得ます。だから砥ぐことはとても重要なんです。
シャープナーでもいいけど
砥石なんてプロっぽくて大げさだから、包丁用シャープナーってやつで十分では?
たとえばこんなスティック状のシャープナーとか。
スリットに刃を通して使うシャープナーとか。
研いでない包丁を使うより、このような簡易な研ぎ器でもあるだけましです。これならあなたのご家庭にもあるかもしれません。ちゃんとしたメーカーのものならそれなりに研げるはず。まずはそれでいいかもしれません。
しかしここは今後を見据えて砥石を使ってもらいたいのです。砥石での研ぎ方を覚えればシャープナーを使うよりも鋭い切れ味を確保できるし、自分好みの刃を作ることができるようになります。
初心者におすすめの砥石
とは言っても砥石なんてどれを選べばいいか分からん。調べたら膨大に種類があるし、高いのから安いのまであってどれがいいんだか。入門用の砥石ってないの?
そんなあなたにおすすめしたいのがこの砥石です。
カミソリなんかでもおなじみの貝印が出している砥石。商品名にある”コンビ”は何かというと、粗さの異なる砥石が表裏にそれぞれ配置されていることからついた商品名。
刃が欠けたときなど大きな調整をしたいときは目の粗い#400番の面を使って大胆に砥ぎ、切れ味を確保したいときは裏返して目の細かい#1000番の面を使って微調整するという使い分けができます。砥石の目の粗さは百番台から数千番台までいろいろありますが、まずはこの2つの目の粗さを用意しておけばほぼ事足りるはず。
砥石を使う目的は切れ味を回復させることがほとんどを占めるので、#1000番をつかうことが大半になるはず。それでも物足りないと感じる時期がきたら、それはあなたのスキルが上がった証拠。#2000番などより目の細かい砥石を検討する段階です。
ここで紹介した砥石は付属している固定台も良くできているので、このセットさえ買えばその日から包丁砥ぎが始められます。
Amazonで砥石を探すと膨大な数の商品がでてきますが、よく分からない中国メーカーの激安砥石を買うより実績のある国内メーカーの砥石を買う方が安心です。高評価レビューの多さがそれを裏付けています。
機会があるなら最初は習うのがおすすめ
肝心の砥ぎ方についてはYouTubeなどで自分が見てが分かりやすいと思うものを参考にしてみてください。本来はここで説明したいところですが、なかなか説明が難しいので割愛させてもらいます。私自身のスキルも曖昧なので。
ただ、プロに習える講習会みたいなものを受けられる機会があるのなら最初はそれを利用して覚えるのがベストだと思います。最初から我流で思い込みの強いやり方を覚えてしまうとなかなか修正がききません。私のように…
できれば出刃包丁も用意しておきたい
ということで、魚をさばくにあたって必ず用意しておきたいのは砥石です。新しい包丁より砥石。これは自信を持って言えます。まずなにより先に砥石を買おう!
しかしあなたがすでに持っている包丁が魚をさばくのにむいているかどうか。それはしばらく使ってみないと分かりません。やっぱりこれじゃ非効率的では?魚をさばくのには無理があるのでは?と気づく場合もあるでしょう。
やはりここは魚をさばくのに最適な包丁があれば安心かつ効率的です。その包丁こそが「出刃包丁」です。
出刃包丁は魚をさばくのに最適な包丁
出刃包丁とはこんな形の包丁です。
いや、見た限り自分が持ってる万能包丁と変わらないんじゃないかと思うかもしれませんが、万能包丁とは異なるこのような特性を持っています。
刃が厚く重みがあるため、骨が太くて硬い鯛の仲間などの背骨も断ち切ることができます。
出刃包丁は片方だけに刃がついた片刃包丁なので、魚の身を骨から無駄なく削ぎ取るということにもむいています。
万能包丁は基本的に両方に刃がつけられた両刃包丁なので、砥ぐときはその両側を砥ぐ必要があります。しかし片刃の出刃包丁なら片側だけを研げば切れ味が確保できます。砥ぐことに関しては万能包丁より出刃包丁のほうが簡単で手軽といえるでしょう。
刃の材質によってグレードが変わる
出刃包丁は刃の材質によってグレードが変わり、安い出刃包丁の多くはステンレスの刃、高くなれば鋼の刃が使われる傾向にあります。たとえばスーパーやホームセンターの調理器具売り場でブリスターパックに入れられて売られている包丁はほとんどがステンレス製です。
高いものほど切れ味が良くなる傾向。もちろんよく切れるに越したことはないのですが、鋼の刃の場合はちゃんとメンテナンスをしないと錆びてしまう可能性があるので、初心者には扱いやすいステンレス刃の出刃包丁がおすすめ。推奨はされていませんが、プラスチックの柄であれば食洗機にかけても平気。
大丈夫、ステンレスの刃でも砥げばちゃんと切れ味が確保できます。だから私は包丁より砥石を重視しているわけです。ステンレスは砥ぎにくいとされていますが、そんなに心配はしなくてもいいです。
メーカー製で最もコストパフォーマンスがいい出刃包丁は、貝印の「関孫六 碧寿」シリーズ。
包丁選びはこだわりだすときりがなく価格もどんどんあがるので、まずはこのシリーズから始めてみてはいかがでしょうか?これを基準にしてステップアップすることをおすすめします。そうすれば良い包丁の「良さ」がもっと実感できるはず。
なお、未経験でも簡単に魚をさばけるという触れ込みで変わった形のナイフなどアイデアグッズ的なものが売られていることもあります。しかしそれで魚の処理を覚えても他に活かせず応用も効かないので私はおすすめしません。
同時に創意工夫の結果生まれた商品なので否定もしませんし例も挙げません。とりあえず手軽に魚を処理してみたいという場合にはいい選択だと思います。
左利きの人は左利きの出刃包丁が必須
出刃包丁は片刃の包丁ゆえ、包丁を持つ利き腕によって、つまり刃を進める方向によって使い分ける必要があります。特に何も書かれていない出刃包丁は右利き用に刃がついています。左利き用はあえて左利き用、左用と書かれています。
私自身左利きゆえ包丁選びに苦労したので、左利きによる左利きのための包丁について記事を書いています。左利きとして生きてきた苦労は分かってます。ぜひお役立てください。
野球のグローブしかり彫刻刀しかり、また左利き専用品を買わないといけないのか…。分かるよその気持ち。習字の時も苦労したよな…駅の改札でも地味に困るよな…分かるぞ。私はあなたの味方だよ!
刺身包丁の出番はあまり多くない
予算に余裕がある、もしくは「刺し身をもっと美味しく食べたいんだ!」という思いが強ければ刺身包丁も揃えておくと幸せになれます。
刺身包丁はこんな形状の包丁。
出刃包丁と同じく片刃の包丁ですが、より刃渡りが長く刃が薄くなっています。
この長さと薄さをフルに生かし刃渡り全体を使うような切り方をすれば、身の断面を潰すことくピンとエッジの立った美味しい刺し身を切り出すことができます。切り方だけで味が変わるの?と思うかもしれませんが、グズグズに切られた刺身と比べたら明確に差があります。鮮度持ちも違います。いやほんとに。
ただこの刺身包丁、処理した魚を三枚におろしてから刺身を切り出す最終段階になってようやく活躍できる出番の少ない包丁です。
例えばアジなどそれほど大きくない魚であれば、出刃包丁程度の刃渡りでもちゃんときれいに刺身が切り出せます。ということで魚の大きさによっては不要な包丁といえます。
まずは出刃包丁があれば急いで用意する必要はありません。必要になった段階で検討しましょう。白身魚を薄くそいで刺身にするなんてときは必須です。
砥石と包丁の他に用意しておきたい便利グッズ
ということで必ず用意しておきたいのは砥石。できれば出刃包丁。これら2つはそれなりの値段がするのでしっかり検討して買う必要があります。
これらに加えて魚をさばく際に用意しておきたい安価な小物類や消耗品があります。ほとんどはダイソーなどの100均で揃えられるものばかり。
数年間にわたって家庭で魚をさばいてきた経験をもとに用意したいもの、役に立ったものを独自の視点で紹介します。
ほとんどのものは100均で手に入ります。
大量のキッチンペーパー
釣ってきた魚はしっかり下処理することで美味しく食べられますし、魚特有の臭みも軽減することができます。
臭みの原因は血などいろいろあるのですが、その一つにあるのがヌメリを含んだ水分。水分を残しておくと鮮度を落とす原因にもなります。魚の下処理、鮮度維持において水分除去はかなり重要です。
そこで必ず用意しておきたいのがキッチンペーパー。それも大量に。
特に下処理が終わって冷蔵保存する前などは、キッチンペーパーを使って念入りに水分を除去しましょう。そんな高いものではないんだし贅沢にじゃんじゃん使おう。
冷蔵保存するときはキッチンペーパーでぐるっと巻くと同時に、丸めたキッチンペーパーをお腹に詰めておくというのも水分除去に有効な方法です。
「安いキッチンペーパーとはいえ湯水のように使うのはもったいない。」
そう思い、再利用できる吸水ペーパーなどを使ったこともあるのですが、それはそれで洗ったり絞ったりの管理が面倒。結局普通のキッチンペーパーを惜しみなく使うことに落ち着きました。業務ならまだしも家庭でやるならそれでいいと思います。
分解できるキッチンバサミ
丸揚げできるような10センチ程度の小魚。例えば豆アジなどはキッチンバサミだけで処理することができます。例えばこれぐらいのサイズの魚なら包丁を使うよりかんたん。
たぶんほとんどのご家庭にあると思いますが、新規に買うのなら刃を2つに分解できるタイプのキッチンバサミがおすすめです。
なぜかというと、魚のウロコや骨などが隙間に挟まりやすいから。分解して洗えるタイプなら挟まってもかんたんに取り除けます。
また上で紹介したような刃がカーブした形状であれば、魚のお腹を開くのにも使いやすい。ガシラカサゴ)など、お腹の部分が固い魚はキッチンバサミでお腹を開く方がかんたんで安全です。イカを捌くときもハサミの方がかんたん。
ヒレに鋭いトゲがあるような魚も、あらかじめハサミでそれを切っておけば安全に処理をすることができます。
ウロコ取りは100均のものでもいい
一見ウロコが無いようにも見えるアジやサバにも透明で細かなウロコがあります。しっかり取らないと、食べる際に口に違和感を感じて不味く感じてしまいます。
こちらも砥石や包丁と同様に貝印のものを選んでおけば安心。
これに関してはダイソーで売ってるような安いウロコ取りでもしっかり役目を果たします。最初はそれでいいかもしれません。
もちろん包丁の刃先を使ってウロコ取りをすることもできます。ヒレの根元付近など細かいところは包丁のほうがしっかり丁寧に取れます。ただ、固いウロコに使う以上は他所なりとも切れ味を鈍らせる原因にはなりますので、そのとき魚を捌く包丁とは別の包丁を用意して使うのをおすすめします。
ここでひとつ注意事項を。
ペットボトルでの代用はおすすめしない
魚のさばき方を調べているなら、ウロコ取りはペットボトルの蓋で代用できるという情報をどこかで見たかもしれません。確かにペットボトルの蓋で魚をこすればウロコが落とせるのでお手軽で便利です。蓋の内側にウロコがたまるので飛び散りにくいし。私も実際にそれでウロコ取りをしてきました。
だからこそ言いたいのですが、ペットボトルの蓋でウロコを取るのはおすすめしません!なぜなら怪我をする確率が高いから。何で怪我をするかというと魚のヒレやエラ蓋にある棘。ペットボトルの蓋だと魚と近い位置に指先を置かざるを得ないのでうっかり刺してしまう可能性が高いです。
棘の実例をみてみましょう。良く釣れる魚の中でも特に棘が多いカサゴ、関西でいうところのガシラです。
どんどん取れるから気持ちいい!と調子に乗ってペットボトルの蓋でゴシゴシしているうち、うっかり油断して指を刺したことは数知れず。流血して処理を中断せざるを得ないしジンジン痛むしで最悪。
そこで学びました。よっぽどヒレが柔らかい魚じゃない限りウロコ取りを使うべきだと。慣れていて棘の位置は把握してるつもりでもやっぱり刺してしまいます。持ち手のあるウロコ取り器なら刺さらない。
一見尖った部分が無いように見えるサバやアジも鋭利に刺さる棘を持っています。ペットボトルの蓋で問題ないのはイワシの類とニジマスぐらいじゃないでしょうか。
これを回避するために尖ったヒレや棘を予めハサミなどで切り落としておこうなんていうアドバイスもありますが、そんな面倒で不確実なことをするなら100均でウロコ取りを買うことをおすすめします。
使い古しの歯ブラシ
お次も、魚の下処理には無くてはならない使い古しの歯ブラシ。
え?歯ブラシ?しかも使い古しの!?
いや使い古しでなくても構いませんが、歯ブラシは魚の処理に大変有用です。魚の表皮についた汚れをゴシゴシ磨いて落とすことができますし、なんといっても役立つのは内臓を取り除いたあとのお腹の掃除です。
目立つ内臓を取り除いても、魚のお腹には落とすべき汚れが残っています。
一つは背骨の下に張り付いた血合い。正確にはこれも内臓で魚の腎臓となります。ここに薄く切れ目をいれてあとは歯ブラシでこすればすっかりきれいに血合いが落ちます。
また多くの青魚はお腹に黒くて薄い膜が張り付いています。これも軽く歯ブラシでこすることできれいに落ちます。
小アジなど小さな魚であれば歯ブラシでウロコも落とせます。新品でも使い古しでも構わないので、魚をさばく前に一本用意しておきましょう。
本来は「ささら」という道具を使って内臓を掃除します。あるいは数本の竹串を束ねて使ったり。
普通のご家庭にはこんな道具ありませんよね。だから歯ブラシで十分。隙間に内臓由来の繊維が詰まりやすいですが、使い古しなら適当なところで捨てて交換すればいいです。そもそも捨てるはずのものだったから。
小骨の処理に使う骨抜き
多くの魚には身に食い込んだ小骨があります。
三枚におろさず焼き魚や煮魚にする場合はそのままでかまいませんが、3枚におろした状態だと身の中に食い込んでいる小骨がどうしても残ります。この骨は刺身にした場合口に当たって違和感、不快感の原因となってしまう。
ハマチなどの青物のように、魚の種類によっては包丁でそぎ取って一括処理することもできますが、小さな魚の場合はピンセットのような骨抜きで一本一本抜いていくことになります。
これも貝印の骨抜きを選んでおけば間違いありません。
ウロコ取りと同様に100均でも骨抜きは売られているのですが、正直言ってクオリティが十分でないものがほとんどです。品質に当たり外れが多く、骨をつまむ部分の噛み合わせが合わないもや、剛性が低くて握ると歪むものもあります。その結果しっかり骨を掴めず抜くのもままならないことが。
ネット付きのスポンジ
これも下処理の時に有用なネット付きのスポンジ。
あまり他でおすすめされてるのは見たことないと思いますが、私には必須アイテムです。
いつもダイソーなどで6個ほど入った小さくて安いものを使っています。これを主に何に使うかというとヌメリ取り。魚の表面をこれでこすることで汚れが落ちます。
例えばサバやニジマスなどは表皮が粘液で覆われていてヌルヌルなんですが、このスポンジでこすることでヌメリとウロコがとれます。完璧とはいきませんが、かなりの部分を取り除くこととができます。
こちらはその方法でヌメリを取ったサバ。サバ模様付近の質感でそれが分かってもらえるでしょうか?
一度使うとヌメリの成分がスポンジに浸透してしまい再度使うのはためらわれるので、基本的に使い捨てです。だから安いもので十分。
どうしても魚の匂いはスポンジに残るので、その他の洗い物と使い分ける意味でも重宝します。
処理した魚を冷蔵保存する大きなタッパ
一通り処理出来た魚は冷蔵庫で保存しておくことができます。適切な処理が出来ているなら、3日ぐらいは問題なく刺身で食べられる状態での保存が可能。
調理するまでの保存はラップで巻いたりビニール袋に入れたりと皆さんそれぞれですが、20センチ程度の小魚を保存するときは大きなタッパにぎちっと並べて保存しています。
とりわけ上の写真にあるガシラのような魚は棘が多く、ラップやビニールだと貫通して穴が空いたり水分が漏れ出てきて面倒。そこでたどり着いたのが大きなタッパでした。
2リットルほどの余裕があるサイズのタッパがあればいろいろな用途に使えて便利です。
これも調理器具メーカーのものではなくても、100均で買える大きなタッパで十分に役目を果たします。
その他のお役立ちグッズ
その他魚の処理に役立つグッズをダイジェストで。
紙製の水切り袋
魚を捌くと気にどうしても捨てざるを得ないものが出てきます。それは内臓、骨、頭。骨と頭は出汁を取るのに使えますが、結局最後は捨てることになります。
そのまま排水口の水切りに放り込んでいくとあっという間にあふれて詰まってしまうので、それらは別の水切り袋に入れておいた方が後片付けもラク。
魚の処理でおすすめしたいのは耐水紙製の水切り袋です。
魚は尖った部分が多く、ビニールやネットで出来た水切り袋に入れると破れたり引っかかったりして面倒。耐水紙の水切り袋なら破れにくいうえ、広げると自立するのでゴミも捨てやすくなっています。
これもやはりダイソーなどの100均で売ってます。
なお、内臓はそのまま常温で置いておくとあっという間に悪臭を放つようになります。冬ならまだしも夏場はたいへん。そんな場合は冷凍しておくのがおすすめ。
なんでもシート
キッチンをなるべく汚したくない。そんなときに役立つのがこのなんでもシート。
静電気でフワッとキッチンの面に張り付くので、まな板周りの汚れそうなところに予め敷いておくと後片付けが楽になります。処理した魚を一時的に置いておくのにも便利。まな板に敷いてしまうのもあり。
アイラップ
そしてなんでもシートと同じ岩谷マテリアルが販売しているアイラップ。
要するに半透明のビニール袋です。
スーパーの袋詰め台にあるロール状のビニール袋と同じ…と思いきや、ビニール袋としてのクオリティが格段に上。マチがあるからたくさん入る、破れにくい、匂いも通しにくい、湯煎料理につかえるなどなど。魚の処理においてはもちろんごみ処理に使えますし、三枚におろしたあとの身を保存しておくのにも便利です。
地域性のある商品で北陸の人にはお馴染みかもしれませんが、最近はSNSでその使い勝手の良さが知られ全国区の人気になりつつあります。
今のところ100均で代替になる商品は見当たりません。見た目は同じでも品質が違う。ありそうでないクオリティ。
まずはとにかくやってみよう!
自らの経験をもとに、魚をさばくのに最低限必要な道具と役立つグッズを紹介しました。
もしかしたら他の人が言ってることとちょっと違っていたかもしれません。少なくとも魚屋さんなどのプロが紹介する内容とは違っていることでしょう。しかしここに書いたことは、自分でそして一般家庭で何十何百匹と魚をさばいてきてたどり着いたひとつの正解です。
まだ魚をさばくのが未経験なあなたも、経験を積んでいくうち自分の最適解をみつけることでしょう。まずはどんどん魚を釣ってどんどん処理していってください。あなたなりのやり方がみつかるはずです。
そのためにまずは砥石を買うことから始めてみませんか?