海釣りを始めたとき最初に考えるのは「自分の釣竿が欲しい」ということ。いつまでも貸してもらったりレンタルで通すわけにはいきません。
でも初心者は最初にどんな釣り竿を選べばいいんだろう?
海釣りを始めて10年の私と一緒に選んでみませんか?これから色々な釣りと出会うあなたにピッタリな釣り竿を選ぶため順を追って解説します。
色々な釣りがしたい初心者のための釣り竿選び
品番がS86MLのルアーロッドを選ぼう
色々な釣りに挑戦できる釣り竿を選ぼう
海釣りのフィールドはいろいろ。船、磯、砂浜などでそれぞれ使える釣り竿が異なる場合があります。
この記事では初心者でも釣りがしやすい堤防や釣り公園での釣りを前提に、初心者用の釣り竿を選んでいきます。
初心者のあなたは堤防や釣り公園で色々な釣りと魚に出会う運命にあります。釣れる魚と釣りのジャンルは多岐に渡るのです。そこから自分好みの釣りに出会うにはいろいろな釣りをする経験が必要。
だから対象とする釣りのジャンルはあえて絞らず、色々な釣りに1本で対応できる万能釣り竿を提案します。
S86MLという品番のルアーロッドがおすすめ
まず結論から書くと、S86MLという品番のルアーロッドが初心者におすすめです。
各メーカーから同品番のルアーロッドが発売されていますが、おすすめはシマノのルアーマチックS86ML。
なぜこの釣り竿を初心者に最適だと選んだのか?
釣り竿の種類を絞り込んでいくことで初心者が選ぶべきこの釣り竿に辿り着きます。釣り竿の種類を学びながらみていきましょう。
堤防や海釣り公園で使う釣竿の種類を絞り込む
海釣り用の釣り竿はリール竿と延べ竿がある
堤防でメバルを釣る竿を例にする
釣り竿のタイプを大まかに分けると、長い道糸を巻いたリールを取り付けて使うリール竿1、短い道糸を竿先に直接結んで使う延べ竿の2タイプに分類できます。
例えば堤防からメバルを釣る場合、リール竿と延べ竿にそれぞれメバル釣り専用の釣り竿が用意されています。
同じ場所から同じ魚を狙うのになぜ2タイプの竿があるのか?
メバル釣りを例にすると、リール竿はルアーを投げて釣る、延べ竿はウキを使った仕掛けを使いエサで釣るという異なる狙い方をするからです。
広範囲に狙えるリール竿を選ぼう
堤防の水深は深いところで足元10メートル以上、ポイントも数十メートル沖なんてことが当たり前です。
延べ竿の仕組み上、竿の長さより長い仕掛けを扱うことができません。海釣り用の延べ竿は最も長くて7メートルほど2なので、10メートルの水深を延べ竿で攻略することは事実上不可能です。
一方、リール竿ならリールに巻かれた道糸の長さ分だけ何十メートルも遠く、そして何十メートルも深いポイントを狙うことが出来ます。延べ竿と比べたら飛躍的に広範囲を狙うことができるのです。
延べ竿を使う海釣りも面白いですが使える場面が限られます。シンプルだから初心者向きかというと一概にそうとも言えず3。
初心者が1本目に選ぶ釣り竿から延べ竿は除外してリール竿を選びましょう。
リール竿にはルアー用とエサ釣り用がある
堤防からアジを釣る釣り竿を例に
リール竿が候補に残りましたが選択肢はまだまだたくさん。
リール竿を大まかに分けると、ルアー釣り用のルアーロッド4、エサ釣り用の釣り竿、この2タイプに分類できます。
今度は堤防からのアジ釣りを例にしましょう。
堤防からのアジといえばサビキ釣り。針が6個以上ついた2メートル近くある長い仕掛けを使うので、4メートル前後の磯竿5(エサ釣り用釣り竿の一種)が最適。またアジは口が弱くて針から外れやすいので、柔らかい磯竿で動きを吸収させると釣り上げられる確率が上がります。
一方ルアーでアジを狙うならアジング。ワームを取り付けた1グラム程度の軽いルアーを扱うので、繊細かつ遠投性能に優れたアジングロッドが最適。
エサ釣りとルアー釣りで兼用できるルアーロッドを選ぼう
エサ釣り用の釣り竿は釣り方に合わせて多くの種類がありますが、穴釣り用のテトラ竿など特殊なものを除き、長くて柔らかい釣り竿が多くを占めます。
そのため、エサ釣り用の釣り竿でルアーフィッシングをやるのは難しい。柔らかい竿先が動きを吸収してしまいルアーに効果的な動きを与えてやることができないからです。
一方で柔らかめのルアーロッドならエサ釣りに転用することが可能。堤防の足元に活きエサを落として根魚を狙うなど、ルアーロッドの短さや硬さがむしろ効果的に活かせるケースもあります。
初心者のうちはどんな釣りに興味を持つかわからない。まだ知らない釣りにも出会うでしょう。
だからエサもルアーもできるルアーロッドのほうがつぶしがききます。ここでエサ釣り用釣り竿は除外し、ルアーロッドを候補に残しましょう。
ルアーロッドにはスピニング用とベイト用がある
スピニングリールのほうがトラブルが少ない
候補としてルアーロッドが残りました。取り付けるリールの種類でさらに絞り込みましょう。
リールにはスピニングリールとベイトリール(両軸リール)があります。
それぞれに特徴がありどちらが良い悪いということはありません。
しかしベイトリールで仕掛けを投げる場合、修復が困難なバックラッシュという状態になりやすく練習が必要です。
構造上、スピニングリールのほうがライントラブルが少なくなります。仕掛けを投げるのもスピニングリールのほうが簡単。製品の選択肢も豊富で、初心者が手を出しやすい価格帯で十分な性能をもつリールがたくさんあります。
初心者はスピニングリールから始めるべきです。
ルアーロッドはスピニング用ロッドを選ぼう
スピニングリールにはスピニングリール用のロッド、ベイトリールにはベイトリール用のロッドが設定されていて、細部の形状がやパーツが異なります。
ベイトリール用ロッドの持ち手下側には指を引っ掛けるためのトリガーが付いています。
リールの取り付け位置もベイトリールは竿の上に載せるかたち、スピニングリールは竿の下に吊り下げるかたち。そのため、糸を通すガイドもベイトリールは竿の上側、スピニングリールは竿の下側に付いています。
船釣りだとベイトロッドが主流ですが、堤防や海釣り公園での釣りはスピニングロッドが主流で選択肢も豊富。
まずは無難にスピニングリール用のルアーロッドを選びましょう。
1本目は86MLのルアーロッドを選ぼう
最初の選択を後悔しないために
おすすめするのはたった1本だけ
初心者が選ぶべき釣り竿をスピニングリール用のルアーロッドまで絞り込むことができました。
今や海のルアーフィッシングはカテゴリが多岐に渡ります。ショアジギング、エギング、アジングにメバリングなど選択肢がたくさん。そのカテゴリ専用のルアーロッドも当然あります。
そのためここからも膨大な選択肢があるのですが、それらを羅列して「おすすめスピニングリール用ルアーロッドランキング100選」みたいな誰の役にも立たない記事を書くつもりはありません。
海釣り歴10年の経験をもとにして、たった1本だけに決め打ちさえていただきます。
色々な釣りに興味がでるかもしれない
今、海釣りの入口に立っているあなたは、近い将来こうなる可能性があります。
まだまだ知らない釣りがあるでしょうし、釣り場で他の人がやっている釣りを見て興味がでてくることもあるでしょう。最悪の場合、釣り自体に興味を失ってしまう可能性も捨てきれません。
その岐路に立ったとき、自分が最初にした選択に後悔しない釣り竿を用意したいもの。
なるべく多くの釣りに対して万能に対応でき、万が一飽きたときになるべく懐が傷まない程度の低価格。そんな都合のいい釣り竿があったらいいのに…
あります!
S86MLのルアーロッドを選べば後悔しない
S86MLのルアーロッドをおすすめする理由
ここで冒頭に紹介したS86MLという品番のルアーロッドに辿り着きます。
この品番は長さと硬さを表す文字列。
各メーカーから同じ品番のルアーロッドが発売されていますが、もっともおすすめなのはシマノのルアーマチックS86ML。
ルアーマチックS86MLについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
最大の魅力はなんといってもコストパフォーマンス。
安い時なら5,000円台後半で買えます。ルアーマチックをはじめとするS86MLのルアーロッドは、価格以外にもおすすすめする理由がたくさん。
S86MLのロッド全般についてはこちらの記事をご覧ください。
エサにもルアーにも対応できる万能さがお分かりいただけるはず。
S86MLのルアーロッドならいろいろな魚が釣れる
このロッドを選べば、10センチに満たない豆アジから1メートルを超えるタチウオまで1本で対応することが出来ます。実際に私がこのロッドで釣った魚のリストがこれ。
こちらの記事で詳しく解説しています。幅広い釣りに対応していろいろな魚が釣れます。
S86ML用のリールは2500~3000番がおすすめ
ここで紹介したロッドにはリールが付いていません。
ロッドに合ったリールを自分で選ぶ必要があります。リールに巻くライン(糸)も自分で選ばないといけない。S86MLに合うリールは2500~3000番のリール。巻く糸はナイロンなら3号、PEラインなら1号が目安です。これなら小魚から中型青物まで大丈夫。
シマノのセドナなら価格帯的にも6,000円前後でルアーマチックとベストマッチします。ルアーフィッシングにはリールの剛性、つまり強い力がかかっても歪まない強さが必要。それを満たす最もリーズナブルなリールがシマノのセドナです。
リール選びが面倒ならリールが付いた初心者セット
リールを自分で選ぶのは不安というあなたには、S86MLのロッドと糸巻き済みの2500番リールがセットになったシエナコンボがおすすめです。これと仕掛けがあればすぐに釣りが始められます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
エサ釣り専門にやっていきたいなら遠投磯竿3号がおすすめ
ルアーフィッシングに興味はないからエサ釣りを専門にやっていきたい。
そんなあなたにおすすめなのが遠投磯竿3号。サビキ釣りから遠投カゴ釣りまで幅広いエサ釣りに1本で対応できます。
次の釣竿を選ぶために使い倒そう
最初にS86MLというベストな選択をしたつもりでも、釣りに慣れていくにしたがい不満が出てくると思います。
エサ釣りにはちょっと硬すぎるとか、もうちょっと重いルアーを投げたいとか。それはたぶん、あなたの釣りスキルがレベルアップした証拠。S86MLでは満たせない何かに気づくことができたのだから。
そしたらS86MLを基準にして気づくようになった不満を満たせる釣り竿、ロッドを探せばいい。そのころにはきっと自分自身で最適な釣り竿を選ぶことが出来るようになっているはず。
ここで紹介した釣り竿は、そこに至るまでの踏み台として使い倒してやりましょう!
- 釣りの現場でリール竿という呼び方をされることは稀ですが、便宜上、この記事内ではリール竿という表現を用いています。リール竿は単純に「竿」もしくは「ロッド」と呼ばれ、それと区別するかたちで「延べ竿」と呼ばれるのが一般的です ↩︎
- 海釣り用の延べ竿で最も長いものはメバル用の延べ竿で7メートル程度。川釣り用だと更に長い鮎用の延べ竿があり9メートルほどの長さがあります ↩︎
- 延べ竿はシンプルだから初心者向きといわることが多いですが、扱う仕掛けが軽いため竿先に糸が絡まるトラブルが発生しがちです。サビキ仕掛けなどある程度重い仕掛けのほうがトラブルは減ります。 ↩︎
- ルアー用に使う釣り竿は狙い方に合わせて「~ロッド」という呼び方をします。(例:アジングロッド) ↩︎
- 磯竿は読んで字のごとく磯などのゴツゴツした岩場で使う釣り竿というわけではなく、堤防や海釣り公園などでもよく使われるエサ釣り用の汎用的な釣り竿です。 ↩︎
- リールフットのサイズは業界共通規格ではないためメーカーにより若干の差異が見られる場合がありますが、ほとんどの場合異なるメーカーの竿に取り付けが可能です。(参考:ティムコウェブサイト) ↩︎