ようやく冬の空気が薄れていく3月。大阪湾ではどんな魚が釣れるのでしょうか?
大阪湾で海釣りを始めて10年の経験から、3月の釣りについて波止釣りの回遊魚を中心に解説します。
気温も少しずつ上昇し日に日に春の気配を感じるようになる3月ですが、海水温は上昇し始めたばかり。海の中はまだ冬が支配しています。
海水温から見る3月の大阪湾と釣果
海釣りの釣果は海水温と連動します。1年のうちで3月はどんな状況にあるのか、大阪湾における海水温の変化を確認しながら見ていきます。
まだ冬で魚がいない3月の海
まずは大阪湾における3月の海水温をグラフで確認。
ようやく冬が終わろうとしている段階
大阪湾における3月の海水温は12度前後で上昇傾向。半年間下がり続けた海水温がようやく底を脱し、これから夏に向けてどんどん上がり続けます。
ついに海水温が上がり始めた!さあ今シーズンの釣りをスタートしよう!という気持ちになるかもしれませんが、まだ慌てるような時期ではありません。2月を挟んで1月の海水温推移とほぼ逆のカーブを描いていますが、釣果は1月に遠く及ばないのです。
温暖化のせいか近年では沖堤でブリやメジロなどの青物が釣れたなどのニュースが3月に届くこともありますが、それはまだ宝くじ当選レベル。夢を追うのもいいですが真に受けてはなりません。
海の中は冬が終わろうとしているタイミング。もう少し待ちましょう。
新しいシーズンの準備を始めよう
2月に引き続いて3月はまだオフシーズン。
しかし2月と違うのは、シーズンインが間近に迫っていること。もうすぐです。もうすぐ魚は戻ってきます。だからもう少しだけ待ちましょう。
新しい道具を検討するのにもちょうどいい機会。昨シーズンにハマった釣りをさらに極めるもよし、昨シーズン気になった釣りを新しく始めるもよし。新製品が並び始める時期でもあるので、リールやロッドを新調するもよし。
準備万端で新しいシーズンを迎えましょう。きっと去年より釣れるはず!
南へ行けば釣れる可能性が上がる
和歌山方面なら冬も水温が高い
大阪湾から足を延ばして
3月の大阪湾は釣りをしてもまだまだ釣果は厳しい時期です。それはやはり水温の低さが原因。しかし、お隣の海域に目を向ければ世界が異なります。
大阪湾とは冬の水温が大きく異なる
先ほど見ていただいた大阪湾の平均水温グラフをもう一度ご確認ください。見ての通り年間の最低水温は10度前後、3月でも12度前後です。
一方、大阪湾から少し南へ足を延ばしてたどり着く和歌山県南部の海水温は、年間最低でも17度前後。3月下旬には早くも20度近くにせまります。
たかが7度差されど7度差。変温動物である魚には大きな差。大阪湾だと11月下旬から12月上旬ぐらいの水温です。単純比較はできませんが、それぐらいの時期だとまだ魚が釣れてた記憶があるはず。
南部は黒潮の影響で水温が高い
もちろん大阪湾より緯度が低いからそもそも気温が高いという要因もありますが、大きな要因は温かい黒潮の影響。
近年は黒潮大蛇行の影響も考慮しなくてはいけませんが、基本的に紀伊半島南部に黒潮が接近しているから高水温が維持されます。
水温が高ければ回遊魚も釣れる
水温が高いということは回遊魚が釣れる可能性も高くなり、実際に和歌山方面であれば3月にイワシやアジなどのサビキ釣果が期待できます。その魚をエサにしている魚も釣れる可能性があります。生命反応に乏しい大阪湾と比べたら別世界のよう。
春先の旅行がてら、南部で一足早い釣りを楽しむというのもいいかもしれません。
釣りシーズンのスタートはもうすぐ
結論としてやはり大阪湾で3月の釣果に期待してはいけません。
しかし釣りシーズンのスタートは目前に迫っています。「今年の釣りはどうしようか。」「去年は惜しくも釣り上げられなかったあの魚を釣ってリベンジを。」そんな計画や目標を立てながら、来るべく釣りシーズンのスタートに備えましょう。