夕方から夜にかけてエサ釣りをしていると不意にアナゴが釣れることがあります。
初めて触る生きたアナゴ。アジやサバなどとは全く違う姿かたち、そして動きなので、扱いに戸惑うのは無理もありません。まともにつかむことすら困難。
そんな生きたアナゴの扱い方を解説します。
釣れたときの締め方と持ち帰り方
まずは釣れたアナゴをしっかりつかんで固定するところから。
なるべくフィッシュグリップでつかむ
アナゴは生命力が強い
ウナギしかりアナゴしかりドジョウしかり、こういったニョロニョロ系の魚は全身筋肉で生命力が異常に強い。水から上げてもずっと動いている。美味しく食べるためにも、そして逃げられないためにも、釣れたらできるだけ早く締めて動きを止める必要があります。
フィッシュグリップを用意しておこう
しかしアナゴの体表はヌルヌルかつ細いゆえ素手でつかむこともままならなりません。
理由は後で書きますが、できれば素手でつかまないほうがいい。そこでフィッシュグリップを使うことをオススメします。例えば第一精工のワニグリップならしっかり掴んでホールド可能。
アナゴ釣りに限らず、安全に清潔に魚を扱うにおいて、フィッシュグリップは釣りには欠かせないマストアイテムといえます。小魚からそこそこの大物まで幅広く使える「ワニグリップミニ」、大物を中心に狙うなら「ガーグリップ」をおすすめします。
首の後ろに刃を入れて締める
アナゴのエラ付近を挟んで固定する
可能な限りフィッシュグリップでアナゴのエラ付近、胸ビレがある付近をつかんでください。
全力で体をくねらせて抵抗しますが、これでとりあえず頭の動きが固定できます。尻尾でペチペチ叩いてきたり手首巻き付き締め付け攻撃などをしてきますがしばし我慢です。袖口などは粘液でドロドロになりますが諦めましょう。
頭の後ろを切って絞める
固定出来たらそのまま頭の後ろ付近に刃を入れてください。ちょっと残酷ですがこんな風に。
ナイフや包丁でもいいですが、使いやすく安全なのはキッチンバサミ。海水に触れると接合部分が錆びやすいので、刃を分解できるタイプがオススメ。私は釣りに行くとき必ず持っていきます。
頭の後ろの身に刃を入れても余裕で生きて動きますが、その先にある背骨、延髄を断ち切ればまるで電池が切れたようにクタッと脱力して動きが止まります。かわいそうですが、美味しく食べるためです。
もちろんピンポイントで脳にピックを打って脳締めするのもいいですが、ヌルヌルでニョロニョロ動くアナゴは他の魚に比べて難しいと思います。
アナゴだけ入れたバケツで血抜きをする
背骨が断ち切れたら真っ赤な血が出てきます。
海水を入れたバケツにしばらく漬けて血抜きをしておきましょう。可能であれば”アナゴだけ”を入れたバケツに。クーラーに入れる際も、ビニール袋に入れるなどして他の魚と分けておくのがおすすめです。この理由も後ほど。
これで締めと血抜きの処理ができました。
アナゴは毒を持っている
ここではアナゴを締める際にフィッシュグリップで固定することをおすすめしました。血抜きもアナゴ単体でやることを推奨しています。
その理由は血と粘液に毒が含まれるからです。しかしその実態を知れば過剰に恐れる必要はありません。
ご家庭でできるアナゴのさばき方
アナゴといえば、何やら釘のようなものをまな板に打ち付けて固定してからさばくというイメージがあると思います。
しかし一般的なご家庭にその釘のようなもの、つまり目打ちがあるなんてことはまずありません。それを気軽に打ち込んでもいいまな板もないでしょう。そりゃ当然です。
そこで、どこのご家庭にもある「とある調味料」を使ったアナゴのさばき方を記事にしました。
他の釣りの外道で不意に釣れたアナゴ。素人の自分には扱えないからとリリースせず、適切に持ち帰って適切に処理してみませんか?