正直に言います。釣りを始めてからしばらくはスピニングリールのドラグ機能を軽視してました。
というのもやっていた釣りがエサ釣りばかりで、ナイロンラインを使ったサビキ釣りとかタチウオのウキ釣りしか経験がなかったから。ナイロンラインはゴムのようにある程度伸びる性質があるため、ある程度は衝撃を吸収してくれます。だからドラグをガチガチに締めてても小物を釣るなら問題なかった。
ようやくドラグの有り難みがわかったのはタチウオの引き釣りにPEラインを使い始めてから。PEラインは伸びが少ないから、ショックリーダーを使っていてもドラグが適切に機能する状態にしておかないとあわせたときにラインが切れてしまう。実際にそれを経験した結果、ようやくドラグ機能の重要性を意識するようになりました。3~4LBぐらいの細いラインを使う管理釣りでもその重要性を再認識。
しかしこのドラグ、ちゃんとメンテナンスをしておかないとその真価を発揮できません。安いリールを使っていようが高いリールを使っていようがそれは同じ。
道具さえ揃えば意外と簡単なので、ドラグに違和感を覚えている人は自分でメンテナンスをしてみましょう。メンテナンスといっても、中身の部品を洗浄してグリスを塗り直すだけ。意外と簡単です。
中級機以上はメーカーが指定するメンテナンスを
最初にまずお断りしておきます。この記事では1万円以下で売られているような安いリールでのメンテナンスを想定しています。
それ以上の中級リールの場合は原則としてメーカーが指定する方法に従いましょう。そのリールのポテンシャルを十分に引き出すために必要なことです。
例えば比較的低価格帯のダイワ製リールにも搭載されるようになったATDドラグは、専用のグリスが販売されていません。予めワッシャーに染み込ませたグリスを使わないとベストパフォーマンスが発揮できないからです。
この記事で実例として紹介しているダイワのレブロスも、2020年発売のモデルでATDドラグが採用されました。この記事で行っているグリスの塗布ではなく、釣具屋などでATDドラグ専用ワッシャーを取り寄せて交換するという作業が必要となります。
以上のことをふまえたうえで、安いリールのパフォーマンスをなるべく向上させようという趣旨の記事だとご理解いただいたうえで参考にしていただければ。
ドラグのメンテナンスが必要になるとき
ドラグはラインを引っ張る力がある一定ラインを超えた場合に、スプールが回転してラインを送り出してくれる機能です。これによってラインブレイク、つまり糸が切れることを防ぎます。
ではドラグのメンテナンスが必要なのはリールがどんな状態の時でしょうか?
まずはドラグノブを回して調整してみよう
ドラグはリールのてっぺんにねじ込まれているドラグノブを回すことで、緩めたり締めたりできます。その締めつけ具合によって、どのぐらいの力がかかればスプールが回転するか自由に調整できるわけです。
適切な締め具合はドラグチェッカーを利用することできちんと設定ができます。
でもドラグチェッカーは高いし、いちいち釣り場に持ち込んで計測するのは面倒ですよね。だからほとんどの人は経験則から自分の感覚で調整しているはず。私はまさにそうで、ラインを引っ張りつつドラグノブを回してここだという締め具合に調整します。例えば引き釣りやジギングなら、ロッドをシャクったときにドラグが「ジジッ」と軽く鳴るのを目安にしたりも。
ドラグの調整幅が狭くなる
ドラグのメンテナンスが行き届いていないと、ドラグの効き具合の調整がとてもシビアになります。
軽い引っ張りでラインがでるからといってドラグノブを締めるとラインがでなくなるぐらいガチガチに締まってしまう。こりゃだめだと緩めると今度は軽く引っ張っただけでラインが出てしまうゆるゆる状態に。適切な調整をしようにも調整幅が狭くて遊びが無さすぎる。
そもそもそれがそのリールが持つ性能の限界ということもあります。しかし、経験上2000~3000円程度の安いリールでも適切なメンテナンスを施せば調整幅がぐんと広くなります。
ドラグの効き方にムラがある
ドラグを緩めてラインを引っ張ると、ドラグの効き具合にムラが発生するときがあります。
一定の力で引いているのに、強い抵抗があるときと軽い抵抗があるときが繰り返される。そんなときはドラグワッシャーの劣化を疑ってください。ドラグワッシャーは金属、そしてフェルトやカーボンの組み合わせでできていますが、劣化が出るのは後者、フェルトワッシャーが原因です。
では実例を見てみましょう。これはフェルトワッシャーが劣化して変形したようすです。
このドラグは、シマノ17セドナ2500Sのドラグ。
ドラグの効き具合に大きなムラを感じたため分解したところ、ごらんの有様でした。最初は何がどうなってるのか理解できず、中央にある汚れた白あんみたいなのがワッシャーだと気づくまでしばらく時間がかかりました。
原因は、根掛かりを外すために強めにドラグを締めてラインを引っ張ったこと。1号のPEに40LBのリーダを結んでいたもんだから、ちょっとやそっとの力じゃ切れなくてガチガチに締めてました。よく「ドラグを締めて根掛かりを外すとリールが壊れる」といわれる原因と結果の一例です。身をもってダメなことを知りました。…知ったはずなんですが、同じリールで不意に青物を掛けてしまったときにも慌ててガチガチに締めてしまい、全く同じ結果を招いたのはまた別のお話。
この状態ではドラグが正常に機能しません。
この場合はグリスを塗るだけでは解決しないので、ドラグワッシャー自体を新品に交換する必要があります。その手順はのちほど。
こんな症状がでればドラグのメンテナンスを
そもそもドラグの性能が低すぎるリールだとどうしようもないですが、ほとんどの場合はドラグのメンテナンスをすることで正常な状態に戻すことができます。2000円程度の安リールでも劇的に改善することがあるので侮れません。
これまで書いたことを含め、以下のような状態のときはドラグのメンテナンスが必要です。
買ったばかりのリールでもメンテナンスが必要
Amazonなんかで安いリールのレビューを見ていると「ドラグが全然ダメ」なんて書いてあるのをよく見ます。5000円以下のリールとかで。
そこで5000円以下のリールを数多く使ってきた私が断言しましょう。
いやほんとにほんとに。
安いリールはドラグの出だしが滑らかでないことがほとんど。
ラインが出ていかないからとドラグノブを緩めると急にジリジリとラインを大放出。こりゃ緩めすぎたと反対に締めると、今度はガッチガチでラインが出ない。
細かい調整をしたいのに、0か1みたいな感じでうまくいかない。これ、ほとんどの場合はドラググリスの塗布不足が原因です。不足どころか、ほんとに塗ってから出荷したの?ってぐらいカサカサな場合も。これは単純にグリスを足してやれば嘘みたいに滑らかになります。
それに加えてドラグワッシャーの重ね順が適当なんてことも経験しました。通常は金属とフェルトのワッシャーを交互に重ねるべきところ、フェルトが2枚重ねになってたり。
この実例は、のちほどダイワのレブロスをメンテする様子でお見せします。
今となっては古いモデルですが、購入当時は約5,000円で世間的には安リールに分類されるリールです。
ある程度の価格帯以上のリールは初期状態でOK
いくら以上という定義は難しいのですが、安いリールではない場合、特に初期メンテナンスは必要ありません。最初からちゃんと調整がしてあるし、むしろ下手に触らない方が良い。
一例として今回メンテナンス例に挙げるレブロスですが、2020年にモデルチェンジした際にダイワ独自のATD(オートマチックドラグシステム)が採用され、ドラグ性能が大幅に向上しました。実際に15レブロスと20レブロスを新品から使っていますが、初期状態でのドラグ性能の差は明らかです。繊細なドラグ調整が必要になるエリアトラウトでも買ったそのままで問題なく使えました。
少なくとも中級リール以上のリールはしっかりその機種にあったチューニングがされているはずなので、ドラグをメンテナンスするにしても専用のグリスを使うか、あるいはメーカーにオーバーホールを依頼した方がいいでしょう。
ドラグのメンテナンスって何をするの?
パーツをきれいにしてグリスを塗る
ではドラグのメンテナンスとは具体的に何をするのでしょうか?
それを知るにはまずドラグ内部の部品を取り出して、その状態を確認することが必要です。その結果によって、以下のようなメンテナンス作業が必要になります。
なんか面倒くさそうですね。
でもやることはシンプルに言えばこういうこと。
それではこれからメンテナンス方法を解説していきます。
ドラグのメンテナンスに必要なアイテム
ドラグのメンテナンスをするにあたって必要な道具はこちら。
右上からいきましょう。
透明な容器
いちばん右上にあるコップはパーツ洗浄用の容器として使います。汚れの落ち具合を確認するため、透明なガラスがいいでしょう。私はワンカップ酒の空き瓶を愛用。
ドラグ用グリス
次にあるチューブがドラグ専用のグリス。釣具屋の店頭などでは取り扱っていない場合があるので、パーツとして取り寄せるか通販を利用します。
綿棒
綿棒は掃除をしたりドラググリスをパーツに塗るために使います。
ピンセット
パーツの付け外しにはピンセットがあると便利。
作業用のバットなど
オイルが飛び散ったり汚れる作業なので、金属のバットなどがあると便利です。チラシや新聞でもOK。
パーツクリーナー
油汚れを落とす洗剤としてはパーツクリーナーが最適です。
あとは水分や汚れを取るためにキッチンペーパーなどがあると良いでしょう。この中でも重要なものをピックアップして紹介します。
パーツクリーナー
汚れたパーツや、古く劣化したグリスを落として洗浄するのにはパーツクリーナーが最適です。ドラグのメンテナンスに限らず、リールのメンテナンス全般に使うことができます。
おすすめはこれ。KUREのパーツクリーナープラスチックセーフ。
その名の通りプラスチックに使っても影響が少ない成分になっています。安いリールは部品にプラスチックが使われている場合も多いですが、これを使えば安心。
速乾性ということで、使ったあともすぐ乾くのでスピーディーにメンテナンス作業が進められます。
ドラググリス
グリスなんて何でも同じでしょ?じゃあリールメンテナンス用のグリスや、最悪ミニ四駆のグリスでもいいのでは?
それダメ!
ドラグには必ずドラグ専用のドラググリスを使ってください。ドラグのグリスは、滑りやすいけど粘り強くなくてはいけないという、相反するような性能が求められます。潤滑と防錆を目的とした普通のグリスではその役目を十分に果たすことができません。
本来はダイワのリールであればダイワのドラググリス、シマノであればシマノのドラググリスを使うべきで、さらに厳密にはそのリールに推奨されているドラググリスを使うのが原則。でも違ったからといってドラグの性能が著しく落ちることはないのでお好みのドラググリスを使えばいいと思います。私はこのシマノのドラググリスをダイワやその他のメーカーのリールにも使っています。
どうも分離しやすい成分のようで、乳白色と黄金色の成分に分かれていることが多いです。使用前にチューブをもみもみして馴染ませてから使いましょう。
なお一応Amazonではマケプレで取り扱いがありますが、通常は店頭に並べられている商品ではなく、部品として釣具屋から注文して取り寄せる扱いになっていることがほとんど。釣具屋の店頭で見つからなければ店員さんに聞いてみましょう。
リールの展開図
先程の写真には載せていませんが、手元に展開図(分解図)があると安心です。主要メーカーはホームページで公開しているので、それを印刷するなりして用意しておきましょう。
ドラグの中身は基本的にワッシャー(輪っか)が重なって入っているだけなのでたいして複雑なものではありません。しかしあらかじめ構造を把握しておくと分解組み立て作業がスムーズに進みます。
たとえばダイワならここから検索ができます。
シマノはこちら。
実例を見てみましょう。下の展開図はダイワ15レブロスの展開図。
画像出典:SPORT LIFE PLANETS15レブロス 2506H: スピニングリール:スポーツライフプラネッツ-釣用品のパーツ販売・修理
「うわ、細かい部品だらけでめっちゃ難しそうやん…」と拒否反応が出てしまうかもしれません。
でも今回は左上にあるスプールの箇所だけ見とけばいいです。ほら、輪っかが重なってるだけでしょ?複雑なギアも入ってない。シンプルだから大丈夫。
実際に「ダイワ レブロス2506H」のドラグをメンテナンスする
では実際にドラグのメンテナンスをしていきましょう。
今回ドラグのメンテナンスをするのはダイワ15レブロス2506Hです。
価格は5000円台(19年4月当時)でダイワのエントリークラスに位置づけられるリールですが、コストパフォーマンスが高いリールとして定評があり愛用者も多かったリールです。
実はこれ、買ったばかりの新品。一度も実戦投入していないさらぴんのチェリーくん。
それなのになぜドラグのメンテナンスをするかというと、ドラグに違和感があったからです。
ドラグノブをカチカチと2段階ぐらい回しただけで締め付け具合が大きく変わってしまう。具体的には先に書いた「調整幅が狭い」という症状です。そういう個性のリールだからどうしようもないという可能性もありますが、念のため確認してメンテナンスで改善するならやってみようと思ったのです。
果たしてドラグは改善するでしょうか?順を追って作業をしていきましょう。
ドラグノブを緩めてスプールを取り外す
まずドラグノブを反時計回りに回して外しましょう。
スプールをリール本体のシャフトから抜いて取り外します。
これは新品なのできれいですが、ある程度使い込んでいればここにホコリや古いグリスが溜まって黒ずんでいるはずです。
抜け止めの金具を取り外す
ドラグのパーツはスプールから抜け出さないように金具で止めてあります。細い針金が六角形や星型に曲げてあり、一部が欠けてバネ状になっています。ピンセットなどで内側に曲げて取り出しましょう。
外した拍子にバネ状の金具が「ピンッ!」と飛び出て行方不明になるという「リールのメンテナンスあるある」が発生しやすい作業なので気をつけましょう。ちなみにラインローラーやベールのメンテをするときにもこの現象が起きやすいので気をつけましょう。釣り前日の夜にベールの付け根にある1センチほどのバネを飛ばしてしまい、数時間半泣きで探したことがあります…気をつけましょう。
金具は溝にはまっています。組み直すときはこの溝に再度はめる必要があるので構造を把握しておきましょう。
ドラグ内のパーツを取り出す
ではいよいよドラグのパーツを外していきます。といっても、金属製とフェルト製のワッシャーが交互に重ねて入ってるだけ。なのでそれを取り出す作業のみです。
真ん中に穴が開いているので、ピンセットとか細めのドライバーなどを刺してピックアップしてやれば簡単に取れます。
簡単に取れるとは書きましたが、何の抵抗もなくペラっと取れる場合はグリスが足りてない証拠。ドラググリスは粘り気があるので、しっかり塗られていれば外すのにちょっと苦労するか、全部くっついた状態でまとめて取れるはずです。
外したパーツは並べて順番を把握しておきましょう。
リールの種類や番手によって異なる場合がありますが、上の写真のように金属製のワッシャーが3枚とフェルト製のワッシャーが3枚というのが低価格~中価格リールでの標準的なドラグ構成です。真ん中の爪があるワッシャーがスプールの溝に噛み合うことで固定され、その上下にあるパーツが滑ったり粘ったりすることでドラグがドラグとして機能します。
番手が低い小さなリールなどはワッシャーがそれぞれ1枚ずつというパターンもあります。こちらはシマノの17セドナ2500Sのドラグです。
不安になるぐらいシンプルですが、タチウオを釣り上げるぐらいなら何の問題もありません。上の写真だと白いフェルトのワッシャーが形崩れしていて、そろそろ交換のタイミングです。
さて、ここでさきほど載せたレブロスのワッシャーをもう一度見てみましょう。
分かりにくいかもしれませんが新品なのにカラッカラです。グリスが塗られている感がほとんどありません。2015年発売の製品を2019年に買ったので在庫時の影響も考えられます。なんにしろこれはメンテナンスで劇的に改善しそうな予感です。
なお上の写真は並べ直した後ですが、当初は黒いフェルトワッシャーが二枚重ねで入ってました。どれほど影響があるのかわかりませんが、明らかな組み立てミスです。
スプールを掃除する
パーツを取り出して空になったスプールは掃除しておきましょう。ここで綿棒が役に立ちます。
といっても上の写真は新品なのできれいなもんですが、それにしてもグリスっ気がありません。ちゃんと塗ったか?ベトナムの人ー!しっかり組み立てろ!ベトナムの人ー!(レブロスはmade in vietnam)
1年以上使い込んだリールはホコリやワッシャーの繊維、劣化したどす黒いグリスで汚れているはずなので、しつこい汚れがあればパーツクリーナーを使って洗浄してあげましょう。
パーツクリーナーでドラグのパーツを洗浄する
汚れたパーツは小瓶などに入れてから、パーツクリーナを吹きかけます。
パーツがひたひたに浸かるぐらい入れてから、振り洗いをしましょう。面白いように古いグリスや汚れがはがれます。汚れがひどい場合はブラシで擦ったり、何度かパーツクリーナを使って洗浄します。
なおパーツクリーナーの成分は石油系溶剤なので火気厳禁です。室内なら換気をすべし。
洗ったパーツは水分を拭き取って乾かします。クリーナーの成分が残っているとグリスに悪影響なのでしっかりと。
乾燥すると白いカスのようなものが浮いてくる場合がありますが、グリスを塗れば消えます。
ドラググリスをパーツに塗布する
しっかり乾燥させたらそれぞれのワッシャーにドラググリスを塗っていきます。もちろん指で塗ってもいいですが、ネトネトになって洗剤でも落ちにくいので、ここは綿棒を使うのがおすすめ。
どらぐらい塗ればいいかというのが問題ですが、気持ち多めに塗ったほうがドラグの動きはスムーズになると思います。虫刺されにムヒを塗るぐらいの感覚で、これぐらい塗れば安心。
使っているうちに余分なグリスがはみ出てくるので、のちほど拭き取ればいいです。塗りすぎたらドラグが完全に締められなくなるのではないか?という心配があるかもしれませんが大丈夫です。初めてやったとき、塗り加減が分からなくてベッタベタにしたことがありますが、それでもちゃんと締めることができました。
ドラグのパーツを組み直す
ひととおりグリスが塗れたら元通りにワッシャーを重ねて戻していきます。真ん中のワッシャーにある爪がスプールの溝と噛み合うように位置を調整してはめ込んでください。
最後に抜け止めの金具をはめ直したら組み直しは完了です。このときもバネが行方不明になりやすいので気をつけましょう。
グリスを馴染ませてメンテナンス完了
スプールを本体に戻して軽くドラグノブを締めたら、スプールをカリカリと回してグリスを馴染ませつつドラグの具合を確認。
もともと性能が落ちていた場合は、ここで改善を実感できるはずです。
さて、今回ドラグメンテナンスをしたレブロスですが、あんなに狭かった調整幅が大幅に広がり、格段に微調整がやりやすくなりました。正直、新品の箱を開けてドラグを触ったときに「この買い物は失敗だったかも?」という気持ちになってたんですが、これならいろんなターゲットと戦えそうです。
これからがんばってくれ、レブロスくん。たのむぞレブロスくん。戦え!レブロスくん。
ドラグのパーツが消耗しているときは
なお今回はドラググリスの塗布だけで済みましたが、部品が消耗している場合は交換が必要です。
金属製のワッシャーはそう簡単に消耗しませんので、問題はフェルト製のワッシャーです。これは使っている期間や、使い方によって明らかに劣化していきます。ドラグをガチガチに締めて保管したり、根掛かりを外すときにガチガチに締めたまま引っ張ったりすることで擦れて薄くなったり形が歪んたり。大物とやり取りした後などもチェックが必要。
フェルトのワッシャーはそういうもんだと諦めて、劣化すれば交換しましょう。だいたい1枚100円台で買えるので安いもんです。
といっても店頭に並んでいるわけではなく、通常は注文して取り寄せる必要があります。釣具屋さんで注文すれば一週間ぐらいで届きます。機種によって使われているワッシャーが異なりますので、分解図とパーツリストを印刷して釣具屋の店員さんに見せればスムーズで確実です。
リールではありませんが、竿のパーツを注文して取り寄せたことがあるので記事にまとめています。ご参考に。
ワッシャーは余分に何セットか注文してストックしておけば安心ですね。安いし。
ダイワのATDドラグなどは予めワッシャーに専用グリスが染み込まされた状態でパーツ売りされており、その場合市販のグリスを塗ると本来の性能が発揮されないことがあります。注意しましょう。
少しでも違和感があればメンテナンスを
リールは複雑な構造をしていますので、なかなか気軽にメンテナンスをしようという気になれないかもしれません。しかし今回紹介したドラグに関しては本当にシンプルなものなので大丈夫。
よっぽど不器用でない限り、分解したものの元に戻せなくなった、なんてことにはならないでしょう。本体のギアやクラッチなどコアな部分は、不安ならメーカーに修理メンテナンスを依頼するなどしたほうがいいと思います。調子に乗って分解したものの、元に戻せなくなることもありますから。ちなみに私のことですが。
せっかくフッキングまで持ち込んだ魚、確実に取り込むためにはドラグが正常に機能していることが重要です。ちょっとおかしいな、使いにくいなと思ったらメンテナンスを検討してみてください。新品であっても疑ってかかりましょう。