釣りを始めたい!まずは竿を選ぼう!
そしてあなたはいろいろなキーワードで検索したはず。そしたらオススメ20選とか人気ランキングベスト30とか、Amazonや楽天へのリンクが羅列してあるサイトにたどり着く。いやいや、何十本も紹介されてどれを選べと?
どうかそこであきらめないで欲しい、是非こちらの世界へ来て一緒に釣りを楽しんで欲しい。
10の釣り経験から選び出した本当に役立つ初心者向けの釣り竿を提案します。
「今」の釣りをしたいなら別の選択を
釣りのトレンドは変化している
この記事の内容は10年ほど前の古いものです
今読んでもらおうとしているこの記事自体は10年近く前に書いた古い記事です。そしてこのセクションを書いているのは2024年。
この間、釣りのトレンドは緩やかに変化していきました。
海のルアー釣り人気が拡大した
大きなトピックは海のルアーフィッシングが人気を拡大したこと。
1グラム程度のごく軽いジグヘッドにワームを付けてアジを狙うアジング。伝統的な漁具である餌木を進化させたエギでアオリイカなどを狙うエギング。鉛でできた重いメタルジグを投げてブリなどの青物を狙うジギング。これらのシェアが明らかに伸びています。
そして残念ながらこの記事で紹介する「万能竿」ではルアーフィッシングをすることができません。そういった意味で今の釣りに対応できないのです。
エサもルアーも1本で楽しめる万能ロッドがおすすめ
定番万能ロッド ルアーマチックS86ML
エサもルアーもやりたいあなたはこちらの記事へ。この1本であらゆる釣りに対応できます。
順を追って釣り竿を選び方を学びたいなら
釣り竿にはどんな種類があり初心者は何を選ぶべきか?この記事で順を追って釣り竿の種類を知り、最適な釣り竿を選ぶことができます。
ロッドとリールがセットになったシエナコンボ
ロッドとリールがセットになった釣り具セットをお探しならシマノのシエナコンボがおすすめです。
エサ釣りを中心にやりたいなら
エサ釣りを中心にした釣りをやっていきたい。そんなあなたには今ご覧になっているこの記事が役に立ちます。引き続きこの記事をお読みください!
こんな人を想定した釣竿を提案します
お金をかけずに色々な海釣りがしたいあなたへ
この記事ではこんな人に向けた竿を提案します。
要するに「安くて何でも釣れる万能な竿」が欲しい人向けです。
なんとケチくさくてわがままなんでしょう。
でもこれは20年ぶりの釣りを再開しようとしていたころの私の考えそのものです。とにかくいろいろやりたいけどなるべく金はかけたくないっていう。分かるよその気持ち。
そんな私が釣り初心者から再スタートして数年が経過しました。その経験を通して辿り着いた、とりあえずこれを買えばいろいろな釣りが楽しめる初心者向けの釣竿を提案します。
目的が明確なあなたは釣具屋で選んでもらおう
例えば防波堤でクロダイを釣りたいとか船で鯛を釣りたいとか、釣りたい魚や釣り方が明確に決まっているあなた。
そんなあなたは釣具屋に行って店員さんにその釣りたい魚や釣り方と予算を伝えてください。あなたにピッタリの道具を一式揃えてくれます。
高い道具を買わされるかと思うかもしれないけど、予算を伝えればそれに応じたベストを提案してくれるはずです。選ぶならチェーン展開をしている規模の大きな釣具屋がいいでしょう。
優柔不断なあなたをフォローしたい
逆に釣具屋で「何でもいいからとにかく釣りをしたい。だからなんかいい感じの道具を選んで欲しい。」と店員さんに伝えても困惑されると思います。
お母さんに「今日の晩御飯何がいい?」と聞かれて「何でもいい。」と答えたら怒られたでしょ?そういうことです!
でも私はそんなあなたをフォローしたい。何故なら私も同じ人種だから。
優柔不断じゃない好奇心旺盛なんだ!いろいろやりたいんだ!何が釣りたいんじゃなくて何でも釣りたいんだ!とにかく釣りを始めたいんだ!
分かるだろ?
ちょうどいい竿を1本提案します
最終的にこの記事で提案する釣竿は釣竿の一流メーカー製品ではありますが、釣りに慣れた人からしたら「安物」の類です。かといって残念ながら5千円以下でもありません。
安すぎる竿は主に耐久性という点で問題があります。だからといって耐久性や性能を追及していくとどんどん価格が跳ね上がる。そりゃ高い竿は素材から何から違うんだからいいに決まってます。この記事で紹介する釣竿はその点でちょうどいいランクのものです。
高級な竿はそれに慣れてから選んでも遅くないはずです。
そしておすすめするのは1本の釣り竿、そしてそこから派生する数本の竿のみです。
人気ランキングとかおすすめ20選とか言いません。調べた過程でそんな記事をたくさん見たかもしれませんが、あんなランキングや20選とかは嘘っぱちです。そもそもおすすめが20本あるっておかしいでしょ?全然おすすめできてない。
最終的におすすめするのはこの釣竿
おすすめはシマノ ホリデー磯3号400PTS
初めに書いておきますと、この記事はかなり長いです。
釣竿を選ぶにおいて最低限知っておいて欲しいことを書いていたら長くなってしまいました。読むのは面倒って人もいらっしゃると思うので、この記事中でイチオシの竿を最初に紹介しておきます。
それはこの竿、シマノから発売されている「ホリデー磯3号400PTS」です。
※同じ商品名で旧モデルが販売されています。旧モデルは竿本体にシルバーや黄色が配色されていますが現行モデルはブラックで商品名に「17」という数字が入っている場合が多いです。性能に大きく差があるわけではありませんが、なるべく現行モデルを選択しましょう。
エサ釣り主体でやりたい初心者ならこれを買えば間違いないと断言します。
以降、なぜこの竿が初心者用の竿として最適なのかを書いていきますので、しばしお付き合いください。
エサもルアーもやりたいならこの竿
なお、エサ釣りもやりたいけどルアーにも挑戦してみたい。いやエサには触りたくないからルアー専門にやるんだという意思をお持ちの初心者の方。あなたにはこの記事で紹介する竿よりもっとぴったりの竿があります。それがこちらのルアーマチックS86ML。
エサもルアーも全部やりたい初心者用としてコストパフォーマンス最強の竿だと断言します。こちらで詳しく解説していますのでご参考に。
2022年には、ルアーマチックS86ML相当のロッドにリールがセットになったシエナコンボが発売されました。最初からロッドに合うリールが選ばれていて、あらかじめラインも巻かれている初心者にぴったりの釣竿セットです。
磯竿にまつわるエトセトラ
一口に釣竿といっても釣り方や対象魚に合わせて投げ竿やルアーロッドなどいろいろなタイプの竿があります。特に近年はどんどんジャンルの細分化が進む傾向にあり、例えば「1円玉ほどの軽いルアーでアジを釣るための専用竿」ともいえる竿もあります。アジングロッドってやつですね。
初心者にとってこの細分化というのが厄介で、未経験者が釣りをするにあたっての最初の一歩を阻んでいる大きな障壁だと思っています。とにかく選択肢が多すぎる。もっとざっくりした切り分けも大事だと思うよ釣具メーカーさん。
そんな中、堤防や釣り公園でエサ釣りをするなら「磯竿(いそざお)」というタイプの竿が第一の選択肢となります。堤防や釣り公園から釣りを始めるという人は多いはず。この記事でも磯竿に分類される竿を紹介します。
具体的な磯竿をオススメする前に磯竿について最低限知っておいてもらいたいことがあるのでこれから解説していきます。ちょっと長いですが必要な知識なのでぜひ覚えていただきたい。
磯竿にまつわる数字の表記
釣具屋やネットショップで釣竿を探したことがあり、とりわけ磯竿と銘打たれた竿を見ていたなら2号とか3号という数字、そのあとに[360]とか[400]とかいう数字がついた商品がありませんでしたか?
それらを組み合わせて[3-360]とか[3-400]とか省略して表記してあったりもします。こんな感じで。
この数字には竿を選ぶ上で重要な情報が含まれています。
3桁の数字は竿の長さ
まず分かりやすいほうから説明しますと、360など3桁の数字は竿の長さです。単位はセンチメートル。360なら360センチ、つまり3.6メートルですね。
36、40など2桁で表記されているものもありますが、末尾の0が省略してあるだけです。
磯竿は短いもので3.6メートルぐらいから、長いもので6.3メートルぐらいです。長いほうが沖に届くから有利なのではと思うかもしれませんが、成人男性であれば通常は4メートル前後が扱いやすいと思います。長いと必然的に重くなって疲れるし、そうなると振り回すのも大変です。
それに沖に仕掛けを投げたからといってたくさん魚が釣れたり大きな魚が釣れるもんじゃないです。広い範囲が狙えるので、魚と出会う確率は上がるといえますが。
竿の”号”ってなんの単位?
最初に表記されている1桁の数字は「号数」を表します。[2-]だったり[3-]だったり。通常は1~5のいずれかですね。
最初の釣竿、とりわけ磯竿を検討された方はこの「号数」について調べられたかもしれません。なんだこの数字?なんの単位?って。
そこでは『対応できるハリスがどうのこうの』という記述を見かけたんじゃないかでしょうか?今から釣りを始めようっていう人が読んでもピンとこないですよね。
厳密に言えば3号の竿なら3号という強度のハリスを使うと竿のしなりと相まってベストパフォーマンスを発揮するんだよ~ってことなのですが、初心者は気にしなくていいです。3号の竿で1号のハリスが使えないってわけじゃないし。ひとつの目安として認識しておくぐらいでOK。
竿の号数とハリスの号数の関係。私も理屈では分かっているのですが、実体験としては未だにピンと来てません。とりあえず初心者の段階では気にしないでいい。
号数が低ければ軟らかい 高ければ硬い
竿の号数について、誤解を恐れずざっくり説明します。
磯竿だと1号から5号ぐらいまでの号数がラインナップされています。0号とかもあるけど。この号数が小さいほど竿が軟らかいと思ってください。
竿の先にオモリをつけて垂らしたとしたら1号は軽いオモリで竿がしなりますが、5号だとかなり重いオモリじゃないと竿はしなりません。加えて言うなら同じシリーズで同じ長さの竿だと一般的に1号は軽く5号は重い。1号は細く5号は太い。
ちなみにこれはあくまで磯竿における号数の話で、投げ竿や船竿の号数は対応するオモリの重さに合わせた号数になるのでまた話が違ってきます。
ルアーロッドはライト、ミディアム、ヘビーなどまた別の概念があります。釣りで使う単位は釣りのジャンルによってバラバラなのでホントややこしいですがこれは慣れてもらわないと仕方ないです。
「磯」で釣りをしないけど「磯竿」を使っていいの?
ところでさっきから「磯竿磯竿」って言うけど俺は磯で釣りをするつもりはないんだけどな?って思っているあなた。私もかつて同じ疑問を持ちました。海釣り公園や波止(防波堤)で釣りをするのに磯竿って違うんじゃないの?海釣り公園竿とか防波堤竿ってないの?
確かに”防波堤竿”と銘打って販売されている竿もあります。でも単純に「防波堤竿=磯竿」って解釈してもらって問題ないです。構造は同じです。
波がザッパーン!岩がゴツゴツ!ファイトいっぱーつ!の磯じゃなくて、こんな穏やかで安全な防波堤で「磯竿」を使ってもいいのです。
錘負荷を超えたオモリを使うとどうなる?
対象魚と同じくパッケージに「錘負荷」という表記があり、”5号~15号”というように範囲指定がされています。解釈としては”オモリの重さの下限は5号で上限は15号までだよ”ということ。
また”号”が出てきましたね。この”号”は磯竿の”号”とはまた異なる概念の”号”です。号号書き過ぎて何がなにやら分からなくなってきたかもしれませんが、もう少しだけお付き合いください。
話を戻します。
オモリの号は重さの単位。1号はおよそ3.7グラム。2号なら倍の7~8グラム、5号なら5倍でおよそ19グラムです。
そして竿の錘負荷というものを端的に言いますと「この範囲のオモリを使って釣りをするとベストパフォーマンスを発揮して使い易いよ」ということになります。仕掛けを投げやすかったりアタリがわかり易かったり。
なお下限が5号の竿に1号のオモリをつけてもひとまず問題はありません。感度が悪くてめちゃくちゃ扱い難いとは思いますが。
上限はちょっと注意。
実際この数字を超えたオモリを使ったら即座に竿が折れるなんてことはそうそう無く、余裕をもった上限値なのですが、仕掛けを投げるときにちょっとヒヤヒヤすると思います。「こんなに竿がしなって大丈夫?」みたいな。上限を超えたオモリを使うと竿の破損につながる場合があるので、安全な範囲を示した目安と捉えてもいいと思います。
というわけで可能な限り錘負荷の範囲内にあるオモリで竿を扱いましょう。特に上限。カゴに撒き餌を詰めたりする場合はその重さも勘定に入れて。まあ範囲内であっても扱いが悪いと簡単に折れちゃいますけどね。
竿に書いてある対象魚は目安に過ぎない
プラ製の箱に入った竿には、パッケージに対象魚が書いてあると思います。例えばこんな感じで。
この例でいうと左から順に2号3号4号の磯竿。表記してある対象魚がそれぞれ違います。でもパッケージに書いてある対象魚はあくまで目安ととらえてください。
その魚を釣るのに適しているという目安なので、号数がひとつ違うからといってとたんに釣れなくなるわけじゃないです。「アジ」と言ったって5センチぐらいの豆アジから30センチを超える尺アジまで大きさが違うわけで。
まずは号数が大きいとパワーがあるので大物用の竿ぐらいの認識でいいかと。厳密には魚のサイズ、釣り方や仕掛けに適した号数というのがあります。1号だからといって決して小物釣り専用というわけではないんですが、それは釣りに慣れてから実感できてくることだと思いますので一旦忘れよう。
で 初心者はどんな磯竿を買えばいいの?
まだ釣りに慣れていない初心者。どんな釣りをしたいのかさえはっきり分かっていない初心者。とりあえず何でもいいから魚を釣りたいんだという初心者。そんな人が最初の一本として買うにはどんな竿がいいのか?
お待たせしました!
遠投磯竿3号万能説を提唱します!
3号の遠投磯竿があればいろいろな釣りが出来る!
ここで私は独断と偏見でこれを提唱します。
あっ、突然すいません。
声を大にして伝えたいので大きく書きました。遠投磯竿3号。この竿はなんでもこなす器用な万能竿といえます。
釣り方でいえば、こんな釣りに対応します。
などなど。実際に私が3号の遠投磯竿でやってきた釣りです。
こんな食べごろサイズのアジなんてお手のもの。
こんなにぶっといタチウオだってしっかり釣り上げてくれます。
釣ったアジを生きたままエサにして、なんとハマチも釣っちゃいました。
50センチ近いチヌ(クロダイ)だって引きを楽しみながら問題なく釣り上げられました。
これ、全部同じ3号の遠投磯竿で釣り上げた魚たち。
10センチの小物から50センチの大物までこれ一本で釣れる。この竿の万能さがちょっと分かってもらえたでしょうか?
2本目の竿を選ぶ基準を持つための竿
じゃあ、様々な釣りをするにあたって3号の遠投磯竿が常にベストかというと、やっているうちに大かれ少なかれ不満が出てくる釣りが出てくるはずです。ちょっと3号だと重いなとか、ちょっと硬すぎるとか。
言ってることが矛盾しているのは承知の上ですが、厳密な意味で万能竿というものは存在しません。でも次に買い足す竿は、1本目の竿で得た経験を元に選ぶことができる。2本目の竿はきっと満足がいくベストなものが選択できるはずです。
どんな釣りが好きになか分からないから
先人が創意工夫をしてきた結果、ターゲットの魚に合わせて多種多様な釣り方が生み出されました。同じ魚を狙うにしても釣り方や道具が異なる場合も多々あります。それが釣りの面白いところでもあります。
そんな中、釣りを始めたばっかりならどんな釣り方が好きになるかなんて分からないじゃないですか?好きになった釣り方のために「2本目の竿」を選ぶには自分の中で基準になる1本目の竿が必要です。
釣りに慣れてきて釣りたい魚や釣り方も決まったので2本目の選ぶ。初心者を卒業しその段階にたどり着くまで、そこに至る1本目としてベストチョイスなのが遠投磯竿3号なのです。
遠投磯竿ってどんな釣竿なの?
遠投磯竿がどういう竿なのか説明していきましょう。
遠投磯竿の品番末尾にある「PTS」とは?
各釣具メーカーから発売されている遠投磯竿には、品番の最後に「PTS」という文字列がついていることが多いです。このPTSは仕掛けを遠投しやすい仕様になった磯竿と解釈してください。後ほど詳しく説明します。
遠投すれば必ずしもたくさん魚が釣れるとか大きな魚が釣れるってわけじゃないです。しかし仕掛けを遠くに投げることができれば広い範囲を狙うことができ、それだけ魚と出会える確立が高くなります。
じゃあ遠投しやすい仕様の竿って具体的にどこがどうなっているのか?品番の末尾に付いている「PTS」の文字列からそれを読み解いていきます。
それぞれの文字の意味はこうなっています。
【P】パイプシートでリールをガッチリ固定できる
[P]はリールの取り付け部分が「パイプシート」という意味。
ねじ込み式のパーツを使うことでリールがよりがっちり固定できるリールシートです。投げ竿やルアーロッドもほとんどはこのタイプのリールシートですね。
遠投仕様ではない磯竿の多くはリールシートの金具をスライドさせてパッチン留めするスナップ式ですが、それよりしっかり固定できます。
どっちが優れているというわけでもないですが、投げる動作が必要な釣りにおいてはがっちり固定できるパイプシートのほうが安心感があります。
上がパイプシート、下がスナップ式のリールシートです。あえてデメリットを挙げるなら、スナップ式より取り付け取り外しに時間がかかることですかね。
【TS】大きなテレスピンガイドで遠投性能アップ
末尾の[TS]はガイドがテレスピンガイドということ。ガイドはリールから出た糸を通す穴のことです。
全体的に投げ竿やルアーロッドのような径の大きなガイドになっています。これにより普通の磯竿よりラインとガイドの接触による摩擦抵抗が少なくなるのでより遠くに仕掛けが投げられるというわけです。
上が遠投磯竿のテレスピンガイド、下が遠投仕様ではない普通の磯竿についている通常サイズのガイドです。中でも一番手前のガイドに大きな差があるのがお分かりいただけるでしょうか。テレスピンガイドはかなり直径が大きいのが分かります。
それに加えてガイドの位置。カメラに詳しい人は「テレ」という文字を見てピンときたかもしれません。このテレの綴りはレンズでいうテレ側のTELE。WIDEと反対のTELE。つまり”遠い”ということ。ガイドの足の部分が長く、竿本体から遠い位置にあります。これも摩擦抵抗を下げられる要因となります。
このテレスピンガイドのおかげでちょい投げ釣りなどでも飛距離がでやすくなり、より遠いポイント、より広いポイントを狙うことができるというわけです。
デメリットとしてラインが弛みやすく竿にからんだりするなどのトラブルに繋がりやすいという点がありますが、釣りに慣れてきて常にラインを張り気味にすることを身に付ければ気にすることではありません。
多少高くても有名釣具メーカーの釣竿から選ぼう
国内三大釣竿メーカー
シマノ、ダイワ、がまかつ。これが国内三大釣竿メーカー。
シマノとダイワは初心者から上級者までをターゲットにした幅広いラインナップ、一方でがまかつはあまり初心者をターゲットにしていない感があり低価格帯のラインナップがありません。
なのでがまかつは今回除外して、初心者用の釣竿はシマノかダイワから選ぶのが無難です。この2メーカー以外の釣り竿もあるのになぜでしょうか?
アフターサポートが充実している
日本には三大メーカー以外にもリーズナブルで品質のいい竿を作っている中小メーカーがたくさんあります。そんな中、なぜシマノかダイワから選ぶのがいいかというとサポート体制が整っているからです。
どういうときにサポートが必要かというと破損したとき。竿が折れたりガイドが壊れたりとか。
特に竿の先端は破損しやすいです。釣りを続けるなら必ず一度は遭遇するトラブルです。自慢じゃないですが私は今まで買った磯竿を全て折ってきています!1本たりとも無傷の竿は無い。
折った場合は自分で直すって手段もありますが、基本はそのメーカーを取り扱う釣具店に持ち込んでメーカーに修理を依頼する流れになります。もしくは壊れたパーツだけ取り寄せたり。この2メーカーを扱っていない釣具店は全国探してもまず無い。
実際にシマノの竿を破損してしまったことがあるので記事にまとめています。 メーカー品はやっぱり安心。身を持って知る。
初心者におすすめな遠投磯竿はこれだ!
万能竿としてどんな竿を選べばいいか、だいぶ絞れてきましたね。磯竿の3号、遠投仕様、そのなかでもシマノかダイワ。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。さあ、お待たせしました!ここから具体的なおすすめ竿を紹介していきます!
イチオシはシマノの「ホリデー磯3-400PTS」!
シマノあるいはダイワから発売されている磯竿の中で、現在最も低価格で発売されているのが「ホリデー磯」というシリーズです。以前はこの下のクラスでシマノの「ランドメイト」というシリーズがあったんですが、残念ながら2017年で廃番となりました。(安くていいしりーずだったのに)
ホリデー磯は初心者を対象としたリーズナブルな価格帯の磯竿シリーズですが、製品のクオリティは高く、コストパフォーマンスの高いシリーズといえます。
もちろんそこにも遠投磯竿がいくつかラインナップされています。 その中で私が一番おすすめしたいのは「ホリデー磯3号400PTS」です。
「400」という数字はすなわち4メートルという長さのこと。この4メートルという長さ、長すぎず短すぎず、絶妙に使い勝手のいい長さです。使ってもらえれば分かると思います。
仕掛けを竿の真下に落とすようなサビキ釣りはもちろん、仕掛けを遠投する投げサビキやちょい投げにも最適な長さ。どんな釣り場でもオールマイティに使える万能竿といえます。重量も200グラムを切っていて軽い。女性でも問題なく扱える重量です。
初めての釣竿選びで迷ったらシマノの「ホリデー磯3号400PTS」。これで間違いなし!
より遠投ができる「ホリデー磯3号450PTS」
先ほど紹介した400PTSより50センチだけ長い「ホリデー磯3号450PTS」。
たかが50センチ、されど50センチ。
この差が遠投性能にも影響します。ある程度長い竿のほうがより遠くに仕掛けを飛ばすことができます。ただ、長ければ長くなるほど竿そのものの重量が重くなるので限度もありますが。
先ほども書いたように遠投すればたくさん魚が釣れるってわけじゃないですが、その分だけ狙える範囲が広がるので魚と出会える可能性は高まります。あと単純に遠投は気持ちいいです!
さらにこの上に530、つまり5.3メートルのモデルもあります。
しかしここまでくると重量が300グラム近くなって一気に重くなりますし、5.3メートルという長さは初心者にとってかなり扱いにくい長さです。もちろんこの長さが生かせる釣り場や釣り方があるからこそラインナップされているわけですが、初心者は避けるほうが無難でしょう。
ホリデー磯のライバル「ダイワ リバティクラブ磯風 3号-45遠投・K」
シマノとはライバル関係にあるダイワ。ダイワもちゃんと初心者用のラインナップがあります。それがリバティクラブ。同じシリーズのリールもあります。
このリバティクラブにもやはり遠投磯竿3号が用意されています。
シマノとダイワは国内総合釣具メーカーの二大巨頭。サポート体制はシマノと遜色ないので安心して買える一本です。
コスト重視なら「プロマリン ブルーベイ磯遠投3-450」も
リーズナブルな釣具全般を多数ラインナップしているプロマリン。浜田商会という企業のブランドです。
このプロマリンは初心者向けの安い竿やリールを数多く取り揃えており、釣具店の入り口付近に置いてる「サビキセット」みたいな竿も中身はプロマリンの商品だったりします。そのせいか安かろう悪かろうのイメージがあったりもしますが、竿は意外といいものが多いのです。
なぜそんなことが言えるかというと私はプロマリンの愛用者だから。今持ってる竿の半分はプロマリン製だったりします。だって安いんだもの。
そんなプロマリンさん、ぬかりなく遠投磯竿3号を用意してくれています。しかも安い。
プロマリンの竿はガイドとかを見るとシマノやダイワと見劣りするのは確かなんですが、意外と耐久性があったりします。事実、私は3年前に2,000円台で買ったプロマリン製の竿を未だに愛用しています。
もっとまともに評価されてもいいと思うぞプロマリン。
個人的に欲しかった3号360cmの遠投磯竿が!
そしてこのブルーベイシリーズには「遠投磯竿3号360」がラインナップされています。
個人的に4.5メートルの遠投磯竿を愛用しているものの、450センチという長さがちょっと長過ぎだなとおもう場面もあって。でもシマノとダイワはその長さを用意してくれていない。
そこへきてプロマリンがこれを出してきたわけですよ。
同じプロマリン製で360cmの長さを持つ普通の磯竿を使ってますが、すごく使い勝手がいいのです。短すぎず長すぎず、投げる動作もしやすくて短い分重量も軽い。小学校低学年の子どもでも扱いやすいんですわ。これで遠投仕様だったらなあと思ってたところ、2017年にこれが発売された。
エサ釣りもルアー釣りも一本の竿でやりたいなら
冒頭にも書きましたが紹介した竿はエサ釣りをすることを前提にした磯竿です。でもルアーもやってみたい?でも磯竿でルアー釣りをするのはちょっと難しいです。
磯竿でルアー釣りをすることは何故難しい?
磯竿はルアーロッドに比べて穂先が柔らかくできています。
ルアーで魚を釣るには生きているようにルアーを動かす必要がありますが、磯竿はその点において不利。なぜなら竿をグッと立ててルアーを動かそうとしても柔らかい竿先がしなってそのパワーを吸収してしまうから。頑張ってもルアーはほとんど動きません。
「ただ巻き」といって一定速度でリールを巻いてルアーを直線的に引いてくるアクションなら出来なくはないです。引っ張り上げては沈めるリフト&フォールも出来なくはない。でもルアーロッドに比べたら磯竿は長くて重いので何度も繰り返してキャストするのはかなり疲れる。
ゆえに磯竿でルアーを扱うのはきびしい。
エサもルアーもやりたいならルアーロッドを選ぼう
じゃあ反対にルアーロッドでエサ釣りはできないのかと言われたなら「できなくもない」という答えになります。少なくとも磯竿でルアーをやるよりずっとはいい。
ルアーロッドでエサ釣りをするデメリットを挙げるとするなら、
こんなところです。
3メートルを超える長さのルアーロッドもありますが、それは基本的に重いルアー、そして大きな魚を扱うことを前提にしているので竿先がかなり硬い。竿先が柔らかくて軽いルアーが扱える、いわゆるライトゲーム向けのルアーロッドもありますが、そうなると長さが2メートル未満になるので仕掛けが扱い難い。
そんな中で”あえて”エサ釣りとルアー釣りが両立できるルアーロッドを選ぶとするなら、3メートル弱のシーバスロッドかなと思います。
選ぶならシマノの「ルアーマチック」シリーズ
磯竿と同じくなるべく安くて品質のいいものという基準で選んでみましょう。
そうなるとホリデー磯と同じシマノのルアーマチックシリーズ、あるいはダイワのルアーニストシリーズになります。いずれも三大釣具メーカーの中で一番安いルアーロッドのシリーズです。
いずれもルアーの入門用ロッドという同じコンセプトで、対象魚やルアーにあわせた10種類以上のバリエーションがありますが、エサ釣りもするなら一番長い「90ML」がいいと思います。
9フィートなんでおよそ2.7メートルの長さになります。 それより10センチほど短い86MLもなんとかエサ釣りに使える長さですね。
これらのロッドでもサビキ釣りぐらいは問題なく出来ます。
ただやはり長さが足りないのと竿が硬いという点でエサ釣りをするにはストレスが溜まることがあるかもしれません。 なので「あえて選ぶ」としたらこれということでご理解を。
ルアーもエサも一本の竿でやるということについては別途詳しく書いています。ご参考に。
ルアーもエサもという観点で万能竿を選ぶならシーバスロッドが第一候補に挙がります。
1~3千円ぐらいで買えるセット商品ってどうなの?
激安セットでも釣れるっちゃあ釣れますが
オススメの竿が紹介できましたので、安い釣竿について実体験を交えたこぼれ話を。
釣具屋に行くと入口付近に安い釣具が陳列されていると思います。1,000円程度で竿とリールと仕掛けがパックされたオールインワンセット的な商品。たとえばこういうやつ。
これで釣れないの?と聞かれたならば私は釣れると答えます。
初めて釣りをするけど今後続けるかどうか分からない、とりあえずお試しで釣りをしたいっていう人になら手軽でいいと思います。初めての釣りでも要領をつかんでタイミングさえ合えば爆釣できるはず。
極端に安い竿は耐久性に難あり
ですがそれに気をよくして2回3回と使っていると、だんだん支障がでてくる可能性が非常に高い。非常に。
ガイドが錆びてきたり接着箇所が劣化して竿から外れたり。リールも同じく金属パーツが錆びてきたり、稼動部分の動きが硬くなってきたり。
こうなってくるとトラブルが頻発するようになり、対処とストレスで釣りどころじゃなくなってきます。安いものには安いなりの理由がある。私は基本的に「安物買いの銭失い」気質なので、この手のものを買ってはトラブルを経験することでそれを学びました。
激安の釣具は耐久性に難アリ。必ず覚えておきましょう。1回きりと割り切るなら全然アリですが。
購入時に商品の状態を確認
この手の商品はお店の入り口付近に陳列されていることが多いので、日光で樹脂素材が劣化していることがあります。
プラスティックのパーツが脆くなっていたり、ラインに陰毛のような巻き癖がついて竿に絡んだり。きちんとした店なら買うときにチェックしてくれると思いますが、黄ばんだパッケージでそのまま売ってるような店もあるんで注意。
その他、大きなチェーン店だと独自のセット組みで対象魚や釣り方に合わせた竿とリールを販売していることがあり、ものによってはリーズナブルでとてもいいセット商品もあるのも事実です。なのですべてを否定することはしません。ただ初心者には判断や見極めが難しいと思います。
同じく中古の釣り具も状態の見極めが難しいので初心者にはおすすめできません。
なぜか良く釣れるジンクスも
安物に限界を感じて新たな竿やリールを購入すると、この手の安物セットは2軍とか予備、非常用にまわされる運命になるかと思います。子供用の竿にしたりも。
私もそんな感じで、何かしらメインの釣りをする傍ら1,000円で買った竿とリールのセットは針とオモリだけの簡単な仕掛けにアオイソメなどのエサをつけて足元に垂らして放置、ラッキーヒットを狙うだけの存在となりました。いわゆる捨て竿ってやつです。
でもこれがどういうわけだか本当にヒットを打ったりするんです。メインの釣りはさっぱりなのに安物セットにだけがんがんアタリが出て大きな魚が釣れたり。期待してないから殺気が魚に伝わってないんだろうか?と思うほど。
まあ、それでもすぐ壊れちゃってそのうち使いものにならなくなるんですけどね。
こちらは980円のリール&竿セットで釣った25センチオーバーのキスです。キスを釣り上げたこの1ヵ月後、竿に接着されていたプラスティック製のガイドが次々に外れ出し、あえなくゴミ箱行きとなりました。リールはラインの巻き替え用アイテムとしての余生を過ごしています。
竿が選べたらリールも選ぼう
合わせるリールはシマノの初心者用リールがおすすめ
竿が決まれば次はリールです。
こちらも”一台で色々使えて安上がり”というコンセプトで提案すると、シマノの初心者用リールが候補あがります。ダイワに比べて初心者用リールのラインナップが厚く性能も高い。サイズによって品番が異なりますが、まずは2500という品番が付いたリールがあれば万能に使えます。
まずは2011年から長きにわたってベストセラー機だったアリビオ。2020年1月現在で廃番が決定しているのでいずれ在庫はなくなります。
そのアリビオの後継機として2019年に発売されたのがシエナ。アリビオよりベアリングが2つ多い3ベアリングなので回転もスムーズ。
シエナと全く同じ構造だけど、ベアリングが1つ少ないのと塗装が違うおかげでさらに安いFX。
この3つから「初めての1台」を選べば問題ありません。これらも竿と同じく、自分の中の基準作りに役立つはずです。
シマノ製なのでサポート体制も問題ありません。扱い方によってはリールってけっこう壊れやすい道具といえるので初心者にはメーカー品がおすすめです。
シマノのホリデー磯とシマノのリール。初心者用の組み合わせとしてはベストマッチです。
初心者向けリールを紹介した記事もありますので、よろしければご覧ください。
釣りを始めたい初心者の方へ
当サイトでは釣りを始めたいと思い立った初心者の方へ向けていろいろな記事を用意しています。よろしければ併せてご覧ください。
これらの記事がきっかけて釣りを始められたとすれば、ブログを書いてきてそれほど嬉しいことはありません。