サヨリ料理の定番は天ぷらやフライ、大き目のものは刺身。でもサヨリはとにかく数が釣れてしまうことも多く処理に困ることも。
そこでおすすめしたいのが干物、一夜干しです。
定番のアジと比べたら干物としてはマイナーですが、あんな繊細な見た目からは想像がつかないような濃い旨味を持った干物になります。意外とかんたんなのでやってみましょう。
一夜干しに最適なサヨリのサイズ
小さくても大きくても一夜干しにできる
”エンピツ”でも”カンヌキ”でも
サヨリはエンピツと呼ばれる15センチ以下のサイズから、カンヌキと呼ばれる30センチを超えるサイズまで釣ることが出来ます。基本的にどのサイズのサヨリでも一夜干しにすることが可能です。
例えばこちらは冬も差し迫った11月末に釣れた25センチ前後のサヨリ。
夏にはエンピツサイズだったサヨリが、秋の深まりにつれて大きくなりこのサイズまで成長します。このサイズだと刺身が美味しいのですが、たくさん釣れたので一度に食べきれず余ってしまいました。
これを一夜干しにしちゃいましょう。これぐらいのサイズだと干物にすれば頭ごと食べることが出来ます。
サイズによって別の味わいがある
夏の時期に釣れるさらに小さいエンピツサイズのサヨリなら骨も柔らかく、頭も含めて丸ごと食べることができます。冬場に釣れたカンヌキサイズなら脂ものっていてジューシーな味わいが楽しめます。
小さくても大きくてもそれぞれの味わいや楽しみ方があるので、サヨリはどんなサイズでも一夜干しに向いた魚だといえます。
また、一夜干しにすることで冷凍保存もでき、焼くときは冷凍のままコンロに入れるだけ。おかずにちょっと一品足したいとき、晩酌のアテにしたいとき、そんなときにさっと炙るだけで食べられます。
サヨリの一夜干しの作り方
サヨリの下処理
サヨリの下処理手順を確認しましょう。
以上でサヨリの下処理完了。
頭を残さない場合は最初に胸ビレの後ろぐらいから頭を落とせばエラごと処理できて楽です。
下処理に必要な道具
一夜干しにするにしても刺身にするにしても魚の下処理が必要ですが、サヨリの場合包丁は使わずにほとんどキッチンバサミだけで処理できます。あとは使い古しでいいので歯ブラシを用意しましょう。
開いてから塩水に漬ける
エンピツサヨリなら開かなくても干物にできる
干物にする場合は下処理したサヨリを開いていきます。
細長い魚なので包丁を頭から尾まで1回通すだけで開けます。干物にする場合はそのまま、天ぷらにするなら開いたあとに中骨をすき取りましょう。15センチサイズのエンピツサヨリなら開かなくても骨ごと食べられます。
5%の塩水で30分が目安
続いて干物にするため塩水に漬けます。どの魚でも私はとりあえず5%の濃度にした塩水で1時間というのを基準にしています。これだと塩気が無さ過ぎるということもないし、しょっぱくて食べられないということもありません。あとはその時の経験をふまえて魚の種類や脂ののり具合で都度調整。
塩水にはお酒を足しておくとより風味豊になります。
干し網で干す
生ハム触感になったら出来上がり
付け終わったらザルにあげて水気を切ります。あとはこれを干すだけ。
1匹ずつキッチンペーパーで水気をとって干し網に並べていきます。干し網はダイソーでも買えますよ。野菜干しという商品名で園芸コーナーにあったりします。
風通しのいいところで一日程度陰干しします。身側の表面を指で触ってくっつかなくなったら一夜干しの出来上がり。身は半生で生ハムのような触感になっていると思います。
あとは軽く炙って食べるだけ!
出来上がりがこちらになります。表皮の銀色と下顎の先にある紅色が残っているのが新鮮なまま干物にした証拠。
裏返すと透明感のある身がなんとも上品。
これをこれで…
「ゴーォォッ!」とすると。
こうなる。
そして食べると…美味い!
いや別にバーナーで炙らなくともコンロで焼いてもいいしオーブントースターで焼いてもいいしストーブの上に置いても。身が薄いんですぐに焼けるし、鮮度がいいまま処理をしたなら軽く火が通る程度で大丈夫。
実は身より頭のほうが旨味が詰まって美味しかったりします。その場合はコンロでじっくり炙ったほうがいいですね。
大き目のサヨリはまず刺身に
サヨリはもともと味が濃い身なうえプリプリとした弾力があります。
なのでその日のうちに刺身にしても美味い。1日置いたら弾力は落ちるものの
味が濃くなってそれはそれで美味い。ただし傷みやすい魚ですぐに内臓がデロデロになるので、必ずその日のうちに内臓とエラと黒い腹膜は取り除いておきましょう。
干物は意外と簡単なのでやってみてほしい
やってみると干物を作るのは意外と簡単なので、サヨリに限らずいろんな魚でお試しください。冷凍すれば保存もきくし。