春本番を迎える4月。大阪湾ではどんな魚が釣れるのでしょうか?
大阪湾で海釣りを始めて10年の経験から、4月の釣りについて波止釣りの回遊魚を中心に解説します。
汗ばむような日も出てきますが、まだまだ寒暖差が大きく天候も不安定な時期。海の中にはまだ冬の気配が残ります。シーズン開幕はもう少し先。
海水温から見る4月の大阪湾と釣果
海釣りの釣果は海水温と連動します。1年のうちで4月はどんな状況にあるのか、大阪湾における海水温の変化を確認しながら見ていきます。
冬の気配が残り魚が少ない4月の海
まずは大阪湾における4月の海水温をグラフで確認。
海の中は冬と春の境目で釣れにくい
3月から上昇に転じた海水温は4月も緩やかに上がり続け、ゴールデンウィークを迎える月末には15度前後に達します。これぐらいの水温になればいろいろな魚の活性も上がり、沿岸に回遊魚が戻ってくる可能性が高まります。
しかし4月全体を通してみればまだちょっと水温が低い。実際に触ってみてもやっぱりまだ冷たい。そう、それは冬のなごりです。まだ海の中は冬と春の境目ぐらい。
昼と夜の寒暖差も大きく、菜種梅雨で天候も不安定。花見で寒さに震えながらビールを飲んだ経験があるはず。4月だ!春だ!という前のめりな気持ちになりますが、シーズンインはもうちょっとだけ先なので落ち着け。
開幕まで秒読み!新シーズンの準備を始めよう
とはいえ釣りシーズン開幕は秒読み段階。
釣れなくても肩慣らしに竿を出して見るのもいいでしょうし、間も無く訪れる新シーズンに向けての準備を本格化するのもいいでしょう。タックルボックスを整理して、足りないものを補充するのにもいい機会です。
これから新しく釣りを始めようとしている人も道具をそろえたり情報を集めるのに絶好の機会。ひと通り揃えて落ち着いたころには釣りシーズンが開幕しているはず。
釣果が絶望的だった2月、3月に比べたら希望の光に溢れています!
近年は好釣果に恵まれる4月になることも
カタクチイワシが春を告げる
一般的に春告魚と呼ばれる魚はニシンやメバル。サワラも漢字で書くと鰆で「春」が入っています。
しかし大阪湾の釣りにおいて春を告げる魚と呼びたいのがカタクチイワシ。
大阪湾の食物連鎖のピラミッドにおいて魚類では最底辺に位置づけられる魚。視点を変えればあらゆる肉食魚のエサ、つまりベイトとなる魚でもあります。
このカタクチイワシがサビキのターゲットとして釣れ始めるのが4月ぐらいから。そしてこれを捕食する大型魚もカタクチイワシを追って岸に近づいてきます。そうしてシーズンの幕開けとなるわけです。
局地的なサビキの好釣果があるかもしれない
秋から初冬にみられたような局地的なサビキの好釣果が、4月からゴールデンウィークあたりにかけてみられることもあります。
うまくタイミングが合えば、年末にあるようなマイワシの爆釣に出会えるかもしれません。このようなマイワシ爆釣にはサバやアジも付随する可能性が高い。おまけにどの魚種も脂がたっぷりのった個体が釣れたりする。
とはいえこの時期のサビキ好釣果は頻度が低く神出鬼没なので、情報収集にアンテナを研ぎ澄ませましょう。
青物ラッシュにわく近年の4月
10年前はあまり見られなかった釣果が2020年あたりから定番となってきました。
それはブリ、メジロ、サゴシなど青物釣果のラッシュ。まるで秋のような釣果が4月に得られるのも近年では珍しいことではなくなりました。
それまでチヌやハネなどいかにもオフシーズンらしい釣果しか並んでいなかったところ、4月中旬に突如としてブリやメジロの釣果が並ぶようになったりします。それも爆発的な勢いで。
比較的大型の青物が釣れやすい時期なので強力なタックルで臨んでください!
不安定な4月だけど
何もかも期待が薄かった2月から3月を経て、4月に入ると俄然チャンスが高まります。
とはいえシーズンイン目前という状況ではあるので、何の釣果も得られず帰路につくことも当たり前といえば当たり前の時期。天候も不安定なら釣果も不安定なのが4月。
それでもチャンスを求めて釣り場に繰り出す価値はあります。