初夏の風物詩となっている大阪湾のメクリアジ釣り。
メクリアジはマアジの中でも産卵後の回復で脂がのったマアジのことを指し、その旨さはまさに究極のアジといっても過言ではありません。
波止で釣るにも船で釣るにも狙い方はサビキ釣りがメインになります。たかがサビキと侮るなかれ、仕掛けの選択によって大きく釣果が左右されることもあります。
膨大な種類とサイズのサビキ仕掛けから何を選ぶべきなのでしょうか?
湾奥の定番になった蓄光サビキイエロー
ハヤブサの「小アジ専科堤防小アジ五目フラッシュ」
蓄光イエローのサビキ
結論としてこれを選んでおけば間違いないというサビキ仕掛けは、ハヤブサから発売されている「小アジ専科 堤防小アジ五目 フラッシュ」。通称「蓄光イエロー」です。
正式なカラー名は「フラッシュ」であり、実は製品のどこにも「イエロー」の文字がありません。
10年以上前から販売されており、スタンダードなピンクスキンやハゲ皮に対してイロモノ扱いだったイメージですが、ここ数年でメクリアジ用の仕掛けとしてデファクトスタンダードになりつつあります。
最近では武庫川一文字などでのアジや大サバ釣りでもよく使われ、大阪湾北部の湾奥ではメクリアジ以外でも実績のあるサビキ仕掛けとなっています。
20種類以上ある豊富なサイズバリエーション
針のサイズは10センチ程度の小アジに最適な3号から、30~40センチ台の大アジ大サバにも対応できる10号まで幅広いラインナップ。
そして同じ針のサイズでもハリスと幹糸のバリエーションが設定されており、例えば6号針ならハリスが0.8号、1号、1.5号、2号と細かくサイズが刻まれています。
バリエーションは実に20種類以上に及びます。
8号のハリス1.5号がオールマイティ
20センチ弱の小アジから30センチ尺アジまで対応
豊富なバリエーションからどれを選ぶべきか?
魚のサイズやシチュエーションなど様々なパターンに対応できるよう、これだけ多くのバリエーションが用意されているわけですが、メクリアジのサビキ仕掛けで迷ったらこれを選びましょう。
針8号 /ハリス1.5号 / 幹糸3号
これなら20センチ弱の小アジから30センチの尺アジまでオールマイティに対応できます。
食いが渋いときほど細ハリスを
8号針にはハリスが太めの2号と3号のバリエーションもありますが、食いが渋いときは細めのハリスに下げるのがセオリー。2号では食わないけど1.5号なら食うということが実際に起こり得ます。おそらくハリスが細いほどスキン部分の動きが自然になり、魚の警戒心を無くすからだと思われます。
なぜか8号ハリス1.5は実店舗で取り扱いが少なく、2024年07月現在ではAmazonでも取り扱いがありません。楽天では取り扱いのある店もあるのでネットならそちらで探してみましょう。JANコードは「4993722537120」です。
針のサイズを下げると大型のアジを掛けにくくなる
このセオリーでいくと、ワンサイズ下の7号ハリス1.5号、1号も渋いときに有効です。さらに針の小さい6号ならハリス0.8号のラインナップもあります。
しかし針のサイズが下がるにつれて大きめのアジを掛けにくくなることに注意が必要。抜き上げ時のポロリも増えます。そのときに釣れているアジのサイズに合わせられるようにサイズのバリエーションを揃えておくと安心です。
針が1号の差、数ミリのサイズ差でも小魚の釣りでは釣果に差がつきます。
その点で8号ハリス1.5号は20センチ台が中心のメクリアジに対して最もバランスがとれています。
なぜ蓄光イエローで釣れるのか?
湾奥の濁りに光のアピール力が効く
そもそもなぜ蓄光イエローが湾奥のメクリアジに効果を発揮するのか?
マッチザベイトのセオリーに従うなら、撒き餌であるアミエビに似たピンクスキンがベストなのに。アミエビ自体も光るけど夜光虫に似た青白い光で蓄光イエローの黄色い光とは異なるのに。
その答えはアジに聞いて見ないとわかりませんが、常に濁りがちで透明度が低い湾奥の海況において発光によるアピール力が強いのは確かなこと。それが重要なポイントだと推測されます。メクリアジのポイントの水深はだいたい20メートルぐらいまでの浅場ですが、濁りによる海底付近の暗さにも蓄光が効果を発揮しているはず。
その他の蓄光シリーズも
とはいえ蓄光イエローじゃないと釣れないというわけではありません。
広い状況に対応できるオールマイティーな仕掛けであることは確かですが、その他のサビキ仕掛けでも釣れるときは当たり前に釣れます。
同じ蓄光シリーズのレッドも実績のあるサビキ仕掛け。
そのレッドとイエローを組み合わせた欲張りなMIXもあります。
ケイムラ素材も実績あり
紫外線で光るケイムラ素材
蓄光素材とは異なるメカニズムで光るケイムラ系のサビキ仕掛けにも実績があり、私自身もケイムラ素材のサビキ仕掛け1本でメクリアジを数釣りした経験があります。
ケイムラ素材は太陽光に含まれる紫外線に反応して蛍光ムラサキ色に光るため、日の光が届く範囲で効果を発揮します。紫外線は人間が知覚できる可視光線より透過率が高いため海底付近まで届く可能性があり、澄んだ潮で透明度が高い海ならより高い効果が期待できます。
仕掛けのスペアとして用意しておきたい
湾奥では水温が下がらないと濁りが取れないため初夏のメクリアジにどれほど効果的か分かりませんが、予備の仕掛けとしてタックルボックスに忍ばせておくのもいいかもしれません。
そもそも魚の眼は人間の眼と見えるものが違っており、紫外線を知覚できるとされています。私たちが見えるものだけを基準にしていたら、釣れる可能性を狭めてしまうかもしれません。
実績のある仕掛けで究極のアジを爆釣しよう!
運が良ければメクリアジは数十匹以上の大漁が期待できるターゲットです。究極の美味ともいえるアジを山のようにゲットできるのだから、大阪湾ではコストパフォーマンスの高い釣りだと思います。
高活性のときはどんなサビキ仕掛けでも通用しますが、そんなフィーバータイムにはそうそう出会えません。少ないかもしれないチャンスを確実なものにするためにはサビキ仕掛けのチョイスが重要です。
蓄光イエローの仕掛けをメインにして爆釣を目指しましょう!