やってしまいました…。
サビキに使っていた2号の磯竿が折れました。トップガイドから10センチぐらいのところでポッキリと…。まるで覚えがないんですが、気がついたら釣り場でポッキリと折れてまして。
実はこの竿、自分の不注意で今までに2回も穂先を折っています。その都度トップガイドを抜いて穂先を削り、エポキシ系接着剤で接着することを繰り返してきました。その結果、もともと4.5メートルあった長さから15センチほど短くなっていた状態。その過程で穂先から2番目のガイドも抜いています。
そして今回さらに10センチ減。折れた箇所の直径は2ミリぐらい。もう穂先を削っても元々のトップガイドはとても装着できないほど太い。今までの方法では修理不可の状態になってしまいました。
こんなとき、ある商品を購入すれば簡単に修理が出来ることが分かりましたので紹介します。
安モンだけど愛着があるので延命させたい
はっきりいって安い竿
この竿は確か2,000円台で買ったイチバンエイト(関西圏の釣具屋チェーン)のオリジナルロッドです。安物釣具でお馴染みのプロマリン製で関西波止堤防DXとかいう名前がついています。
冒頭の写真に写っているガイドを見たら分かるかもしれないですが、どっからどう見ても安モンです。リールとセットになった竿によくあるクオリティ。なにがDX(デラックス)なんだと突っ込みたい。
修理してもうちょっと使おう
しかし使い勝手は良くて、20年ぶりに釣りを再開した2015年はこいつに遠投サヨリ仕掛けをセットし南芦屋浜ベランダでたくさんのサヨリを釣り上げました。
2号でそれなりに感度も良く、450センチの長さも遠投サヨリ仕掛けを扱うにはぴったりでした。安モンだけど手には馴染んでいるし愛着があります。できればもうちょっと使ってやりたいな。
よし決めた!修理しようじゃないか。
お店で修理する?
一番手間がかからない方法は買ったお店に持ち込んで修理を依頼する方法でしょうか。幸い買ったお店は自宅から歩いて5分ほどの距離。
いやしかし、部品代と工賃でおそらく1,000円を越えてしまう。2,000円そこらの竿にはもったいないので却下です。
自分で何とかして直すDIY路線で再検討。
トップガイドを買って自分で直そう
次に候補となるのは竿先の径に合うトップガイドを新たに購入して自分で装着する方法。
自分で修理作業をした経験もあるしエポキシ接着剤もあるからガイドさえ手に入れば何とかなる。善は急げということで自宅近くのフィッシングイチバンへガイドを探しにいきました。
ここは3階の淡水売場に自作パーツコーナーが併設されています。探したところちょうどいいサイズのトップガイドがあることにはありました。しかしどれも1,000円近くで意外と高い。2,000円台の竿には不釣り合い。
サイズが違うトップガイドが20個ほど入って1,000円ぐらいのお得なセットもあったけど、おそらく生涯かけてもそんなにたくさん竿を折ることはないでしょう。
FUJIのリペアキット!そういうのもあるのか
ふと横をみるとトップガイド3個と接着剤が入って540円の商品が。そうそう、こういうのでいいんだよ。しかも竿ガイドの代名詞的メーカー富士工業(FUJI)の製品。安くとも信頼できます。パッケージには「リペアキット」と書いてありました。
ラインナップを見ると、バス用、投げ竿用、波止竿用の3種が。がしかし波止竿用の一番太いガイドで1.2ミリ。今回折れた部分がおおよそ2ミリ径の部分なのでちょっと無理そう。
投げ竿用はちょうど合いそうなサイズがありましたが、ガイド自体が大きいのでちょっとアンバランスです。バス用も同様。
その場にはありませんでしたがどうやら波止竿用でも「太径対応」というラインナップがあるみたい。調べたところ2ミリ径の竿先に対応するガイドが含まれているのが分かったのでこれでいけそうです。
後日Amazonで注文しました。
リペアキットで実際に補修してみる
コンパクトなのでタックルボックスに入れててもOK
数日後手元に。
ちょうど時間があったのでその日のうちに修理作業にとりかかります。パッケージは小さいのでタックルボックスに忍ばせておくにも邪魔にならないサイズですね。
接着剤(ホットグルー)と3サイズのガイドが同梱されています。
まずはサイズ合わせから
まず折れた部分に一番太いガイドをあててサイズの見当をつけます。外径はジャストサイズ。内径は金属板の厚み分だけコンマ数ミリ狭いはずなので、少し竿先を削って細くしてやる必要があります。
竿先を削って細くする
というわけでまずはカッターで塗装をはがします。塗装が剥がれると黒いカーボンがむき出しに。まるでエンピツの芯のようです。そういやどっちも炭素ですね。
仕上げにヤスリで整える
塗装が剥がれたらダイヤモンドヤスリで微調整。なんとなく最初はカッターを使いましたが、最初からヤスリで削っていっても問題ないと思います。
ちなみにこのヤスリはダイソーの工具売場で売っている商品です。釣り針の研ぎなおしに使えるかと思って買ったけど、針を研ぐにはちょっと粗すぎました。タチウオテンヤやタコジグのような太針なら十分研げるので、タックルケースに入れて釣り場に携行しています。
再度サイズあわせ。ちょっと削りすぎた気もするのでこの辺でやめておきましょう。削りすぎるとまた折れちゃうので。削り出た粉は濡れティッシュで除去しておきます。
一旦ガイドを差し込んでみます。うん、いいんじゃないでしょうか?では接着していきましょう。
ライターでホットグルーを溶かす
付属の接着剤を使って接着していきます。
この接着剤は熱で溶かしてドロッとさせてから塗りつけるホットグルー。冷えると硬くなります。ライターで炙るとすぐに柔らかくなったので、さっき削った竿先に慌てて塗りつけ。
なお、このホットグルーは単品でも販売されています。折れた箇所が竿先に近くてガイドがそのまま使える場合はこれだけあればなんとかできます。
ぶっちゃけこのホットグルーというかホットボンドは100均でも売ってます。グルーガンで小物を作るっていうのが主婦層でブームだったりするんでダイソーかセリアならどこでも置いてるかと。しかも20本ぐらい入ってたはず。
竿先にトップガイドを接着する
ホットグルーが冷えて固まる前に急いでトップガイドを差し込みます。
回しながら差し込むとグッと奥まで入りました。いい感じのフィット感。しっかり接着するには多めに塗りつけたほうがいいかもしれません。接着剤がはみ出ても爪かカッターでカリカリやれば除去できますし、失敗して変な形で固定されても火であぶってやればまたやり直しがききます。
ぼくにもできた!
というわけで補修完了。ガイドリングの径が大きいのでちょっと浮いて見えますが、実用には問題ないでしょう。所要時間は10分程度。まったく簡単だ。
基本的には”応急処置用”らしい
あくまで一時補修用のキットだけど
ちなみに、このリペアキットで想定しているのは釣り場にいるときその場で行う応急処置であって、説明書には『釣行後は適切に修理を行ってください』と明記があります。修理用ではなくあくまで一時的な補修用ということみたいです。耐久性という点では保証できないということかもしれません。
実際この修理をしてから半年ほど竿を使い続けましたが特に問題はありませんでした。とはいえ10,000円を超えるようなまともな竿であれば釣具屋を通じてメーカー修理に出されることをオススメします。オフシーズンにやっちゃいましょう。
ダイワやシマノ製ならパーツ取り寄せもかんたん
またダイワやシマノ製の竿であればパーツ単位で取り寄せをすることが出来ます。この記事で紹介した修理方法だと当初の竿の長さからいくらか短くなってしまっているわけで、竿にかかるパワーのバランスが偏ってさらに破損しやすい状況に陥る可能性も否定できません。その場合は竿先のパーツのみ取り寄せるなどしたほうがいいかもしれないです。
実際にシマノの竿が折れてしまいリペアキットでは直せない状態になってしまったのでパーツを取り寄せたことがあります。
竿の種類に合わせた4タイプ
商品ラインナップをおさらいします。
竿の種類、太さに合わせた4タイプ。高いもんじゃないので釣り道具入れに常駐させておくと安心かも。あとはペンチとライターとヤスリがあれば釣り場でも補修できるはず。
まずは今回私が使った波止竿用の太径。
そして波止竿用のレギュラーサイズ用。
大きめガイドの投げ竿用。
バスロッド用。
【補足1】トップガイドの接着に瞬間接着剤を使うのはオススメしない
すぐ固まるから意図しない位置で固定されることが
竿の補修をしたり検討をしたりした人なら、トップガイドの接着にアロンアルファみたいな瞬間接着剤を使うという例や説明をみたことがあると思います。私も最初の補修にはそれを使いましたが、ちょっと支障がありました。
あらかじめきちんと位置決めをしたり、トップガイドの穴にどれぐらいまで穂先が入るかなどをきちんとチェックしてシミュレーションをしておかないと、硬化時間が早いため中途半端なところで固定されてしまう可能性があります。
やり直しが難しい
こうなるとやり直しがききにくいです。また、再度折ってしまってトップガイドを取り外すときにも一苦労だし、うまく取り外せないと穂先にダメージが残ったりします。
その点、このキットに着いているホットグルーは冷えるまで、硬化するまでの時間にゆとりがあるため、調整しながらきっちりと接着が出来ます。また再度取り外す際にも、少しライターの火であぶるだけでフリーな状態になるから外しやすい。
というわけでガイドの接着にはホットグルーがおすすめ。
【補足2】ほんの数センチ折れただけの場合
そのままトップガイドを再利用できる
この記事では新しくトップガイドを購入して取り付けましたが、折れた箇所が穂先から1~2センチであれば、そのままそのトップガイドを再利用できます。
具体的な写真を挙げますと、これぐらいの位置で折れた場合。まあこれも私が折った竿なんですけども(得意顔)。
トップガイド再利用の方法
上の写真を見てもらえれば分かりますが、折れた場合はトップガイドの穴の中に穂先が詰まったままの状態になります。これを取り除かなければなりません。
手っ取り早いのは、詰まった穂先を焼いてしまう方法。
ペンチを2本、そしてライターを用意してください。ペンチでガイドをつかみライターの火で穂先が詰まった部分にまんべんなく熱を加えていきます。するとフッと煙が出てくるタイミングがありますので、そしたらもう一本のペンチで速やかに穂先を引き抜いてください。炭状になった穂先がスポッっと取れるはずです。
ガイドの穴の中にゴミが残ってるかもしれないので、針金とか細いものででさっと掃除しておきましょう。
あとの手順は新しくトップガイドを装着する場合と同じです。穂先を削ってサイズ合わせをしましょう。上の写真ぐらいの折れっぷりなら塗装を削る程度でいける場合もあります。