例えば公園、プール、山、川、ビーチ、そしていろいろな釣り場。
そんなアウトドア的なシーンで最近良く目にするもの。それはテント型の「サンシェード」。特に子連れのファミリーが多い場所では、色とりどりで形状も様々なサンシェードがずらりと並んでいる光景をみかけます。これっていつごろからなんでしょう?少なくとも私が子どものころ、つまり30年ほど前には無かった光景のはず。
私自身、子供が生まれてからいろいろなところに出掛けるようになって初めてサンシェードの存在を意識するようになりました。ここ10年ほどのことです。初めて意識したのは、まだ歩き始めたばかりの息子を連れて行った万博記念公園。あちこちで家族連れが使っているのを見て「あれええな~欲しいな~」と。
直後に買って以来、釣りをはじめとしていろいろな場所やシチュエーションで使ってきました。そんなサンシェード使用歴10年弱の私が、子連れでのライトなアウトドアシーンで使うおすすめサンシェードを選ばせていただきます。
こんな風にサンシェードを使ってきた
釣り場で使うサンシェード
ファミリー向けで足場のいい、そして背後に広いスペースがある釣り場ではカラフルなサンシェードが釣り場を彩っています。
こちら京阪神におけるファミリーフィッシングのメッカ、南芦屋浜ベランダの光景。
数メートルおきに行儀よくサンシェードが並んでいますね。撮影したのは9月頭でまだまだ日差しのきつい時期。それを避けるべくみなさんサンシェードを使っているわけです。
ガチの釣り人には「いっつも邪魔やねん!あれ!」と思われているかもしれませんが、子連れの釣行では大変役立つアイテムなのでそのあたりをご理解いただければ幸いです。
ちなみに私はいままでこんな感じで使ってきました。
あるときは夜釣りのためのベース基地。
またあるときは食事のためのスペース。
ウチのソト化と言いますか、広げるだけでプライベート空間ができあがる。ペラペラの生地一枚隔てるだけでプライバシーが確保できるんです。
釣り以外にもプールに持って行って着替えスペースにしたり、大きな公園で休憩スペースにしたり。
買い物には失敗がつきものですが、サンシェードに関しては「買って良かった」と断言できるものでした。
サンシェードはこんなときに役立った
サンシェードがあってよかったというのはこんなシチュエーション。
日差しと寒さ対策
SUNSHADEなのでサンをシェードするわけです。つまり太陽光を遮って日陰をつくるのがサンシェードの主目的。どのサンシェードでもこの役目を果たします。でも風通しの悪いサンシェードだと真夏は空気が滞留してサウナ状態になるので気をつけましょう。
反対に寒さに関しては条件によって効果大。フルクローズできるタイプのサンシェード高い効果を発揮します。
風を遮れるだけでずいぶんと体感温度が違う。晴れた日中で太陽光があたる状態なら外は氷点下でも中はポカポカ陽気。半袖で居れたりします。地面からの冷気は厚めのシートを敷くなどして断熱しましょう。
プライベート空間ができるから
私はフルクローズできるタイプのサンシェードを使ってきました。前後左右4面を完全に塞ぐことができるタイプです。締め切れば完全にプライベートな空間のできあがり。
そこでは人目を気にせず昼寝もできますし、着替えだってできます。子供が小さい頃は授乳なんかにも使えるので、移動して授乳室を探す必要もありません。
荷物も人目から隠せますので、盗難についてもいくらか不安の割合を下げられます。まあ貴重品は持っておいたほうがいいでしょうけど。
サンシェードは主に3つのタイプがある
サンシェードは何タイプかの形状に分けられ、特徴や価格帯も違ってきます。
ポピュラーな3タイプのサンシェードについて特徴を挙げていきます。
ポップアップ式のお手軽サンシェード
最もよく見かけるのがポップアップ式のサンシェード。こんなタイプで2,000円前後ぐらいから買えます。
ポップアップ式なので袋から出して広げればすぐに設営できるのが最大のメリット。さらに部品が少ないので軽量。そして低価格なのが魅力。
デメリットは簡易な構造なので剛性がなく風ですぐ歪むこと。素材が薄いことがほとんどなので耐久性がないこと。コツをつかまないと収納が難しいことなど。そしてフルクローズできないものが多い。
安いんだからしょうがないと割り切ることができるならじゅうぶんに検討の余地あり。
ワンタッチ式で設営が簡単なサンシェード
紐を引っ張るだけなどの機構で簡単に設営できるサンシェード。
こんな感じでジョイントを開いて紐を引っ張るだけであっというまに設営可能。
ポップアップ式には敵いませんが、撤収も比較的簡単に出来るようになっています。
ポップアップ式より堅牢にできていてがっちりしていること、設営も撤収も簡単なこと、比較的いい素材が使われていて耐久性があることなどが特徴。フルクローズできるものも多いです。
デメリットは比較的高価なこと、部品が多いのである程度の重量があることでしょうか。
ポール式でしっかりした骨組みのサンシェード
キャンプ用のテントにも使われているポール式の骨組みのサンシェード。私が使っていたのもこのタイプで、具体的にはこのコールマンのサンシェードの青でした。10年ほど売られ続けているロングセラーモデルです。
ポールの弾力で外からシェードの生地を引っ張るから、しっかりと自立する構造になっていて風に強い。開口部が多いから通気性もいい。それでいてフルクローズすることもできる。価格もポップアップ式とワンタッチ式の中間ぐらいでお手ごろです。
デメリットとしては設営と撤収が面倒なこと。ポールの弾力と戦いながらの設営になるので1人だとちょっと手間取ります。撤収はさらに面倒。ポールを抜いて生地を綺麗にたたんで収納袋に入れる、この作業がけっこう大変で10分ぐらいかかります。風が強い日だと畳むのにも一苦労だし、帰り際の疲れた状態で撤収をするのは輪を掛けて面倒。そして重いので持ち運びもきつい。
私が使っていたモデルも性能と価格的には文句なしだったんですが、この設営と撤収の面倒さからだんだん使う機会が減っていきました。
でもまだまだ子供も小さくて必要だから、最低限必要な機能は満たして簡単に組み立てられるサンシェードが欲しい。
そうして選んだモデルをあとで紹介します。
テントとサンシェードは何が違う?
テントとサンシェード、形状が似ていて同じようなものに見えます。実際に線引きが難しいモデルもありますが、ざっくりまとめると違いはこんなところです。
テントに比べるとサンシェードは間違いなく「ちゃちい」です。あれ?ちゃちいって大阪弁かな?まあ作りが簡素だったり安っぽいということ。でもその分お値段が安いと。
フルクローズできるサンシェードだとテント代わりに使えそうな気もしますが、かなり気象条件が整っていないと厳しいと思います。
実際、うっすら水溜りが出来る程度の雨の中サンシェードで雨宿りしてたら、壁から床からじわじわと水分が染み込んできて散々な目にあったことがあります。
子供連れアウトドアに求めたいサンシェードの条件
実際に10年ほど子育てをしながらサンシェードを使ってきて、これは満たしておきたいと感じたサンシェードの条件がこちら。
先ほど書いたようにフルクローズできることでプライベート空間ができ、いろいろな用途に使うことが出来ます。釣りだけじゃなくプールとかいろいろな場面で使えるので必須。
フルクローズできることと併せて、開口部に風通しができるメッシュがあるのも条件。もちろんそこから空気が出入りして中が快適になりますし、メッシュがあるだけでプライベートな空間が確保できます。
そして以前から使っているサンシェードで苦労した設営と撤収の手間。これが簡単であることにこしたことはありません。そして安いこと。これも譲れない。
じゃあどんなサンシェードを選ぼうか?
子育て&サンシェード歴10年弱の私が選ぶおすすめサンシェード
最低限の条件を満たして安いやつ
これまでサンシェードを使ってきた経験から、最も重要視すべき条件は設営と撤収がかんたんなこと。
そのことから必然的にポール式は除外、選択肢はポップアップ式かワンタッチ式かを選ぶことになります。そして予算は抑えたいからポップアップ式がいい。でもポップアップ式でフルクローズできるものなんてあるのかなあ?
キャンパーズコレクションのワンタッチサンシェード
Amazonの密林を這いずり回って探したところ、見つかりましたよ!それががこの商品です。
商品名にワンタッチとありますが、実際はいわゆるポップアップ式です。
キャンパーズコレクションなんてアウトドアメーカー知らんわと思って調べたら、ジェネリック家電でお馴染みの山善のブランドとのこと。お値段は4,000円ちょい。安物には変わりないですが、わけのわからない中華製に比べたら信用できます。
実際に届いたものを部屋で広げて試してみたところ、確かに設営が超簡単です。丸く畳まれたものをバフッと広げて形を整えるだけ。わずか数秒。
床面を広げないとたわんでしまうので、実際に使うときは中に荷物を置かないとすぐに風で歪みそうです。あとは床の生地が薄々ですぐ破れそう。まあこれは仕方ない。値段が値段だし。
面白いのはファスナーで接着された収納袋が二つに分かれて、それぞれが座布団になること。ナイスアイデア。このあたりはさすが山善というところですね。
収納方法がやや難しかったので動画を観つつ何度か練習してマスター。
慣れれば20秒ぐらいで終わりそう。なんせ今までのは10分ぐらいかかってたからな。うんお手軽だ。お手軽は正義。
生地を触った限り数年で破れそうな気もしますが、その頃には子供も大きくなって使用頻度も下がっていることでしょう。自分達にはこれでいいのだ。
釣り場でサンシェードを使うときに気をつけたいこと
公園とかならまだしも、釣り場でサンシェードを使う際には十分に注意が必要です。
風に飛ばされないよう重いものを置いておく
釣りの中でもとくに海釣りに関してですが、海辺の天候は非常に変わりやすく突然強風が吹くこともあります。そしたら容易に飛ばされます。
これは私が実際に経験したこと。場所は南芦屋浜ベランダ。風が強いものの子供がサンシェードの中にいて特に問題なく使えてたんですが、子供が出てきたとたん軽くなったサンシェードが風に舞って数メートル飛ばされたことがありました。たいした重量ではないいしろ金属の棒がついた物体が制御できなくなったわけです。冷や汗もんでしたが親切な方が風下で受け取ってくれて事なきを得ました。
乳児ぐらいならサンシェードに入ったまま簡単に飛ばされると思います。そのまま海に放り出されたら最悪の事態にもなりかねません。できるなら周囲のものにロープを繋いでとめておく、中に重いものを置いておくなどしておきましょう。とはいえコンクリにペグを打ち込むのはやめよう。
しめきったまま子供を1人にしない
締め切ったサンシェードに日光があたるとたちまち内部の温度が上がっていきます。冬場ならけっこう天国な心地なんですが、夏は灼熱地獄。
昼寝してしまったからといって子供を一人残して釣りに夢中、気がついたら子供は熱中症になんてことも有り得ます。パチンコに行って車に子供を置いておくのと変わりありません。
釣り場を占有しない
釣り場でサンシェードを使うのはスペースに余裕がある場所だけにしたいものです。
岸壁ギリギリにサンシェードをたてて場所を占有なんてのは、混んだ釣り場では避けたほうが賢明でしょう。ガラガラならご自由にお楽しみください。